HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 29 Nov 2012 01:21:03 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:電気料金 抑え込め値上げドミノ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

電気料金 抑え込め値上げドミノ

 関西、九州電力が政府に料金値上げを申請した。東北、四国電力も追随する。原発に代わる火力発電の燃料を世界最高値で買えば、そのツケは消費者に回る。政府には悪循環を断ち切る責任がある。

 関電が家庭向け料金を来年四月から平均約12%値上げしたいと経済産業省に申請した。国の認可が不要な企業向けなど大口の値上げは平均19%。九電も申請し、東北、四国電力も続く。福島第一原発事故を起こした東京電力は九月に値上げしており、さながらドミノ倒しである。

 関電は既に再稼働している福井県大飯原発の二基に加え、高浜原発の二基、九電も四基の再稼働を前提とした値上げ申請だ。

 九電の瓜生道明社長は再稼働が遅れれば、一段の値上げを「考えざるを得ないかもしれない」と語っている。消費者に再稼働容認を迫ったとも受け取れる内容であり、経産省からお墨付きを得た発言ではないかと疑いたくもなる。

 今夏、電力各社は家庭などの後押しで電力不足を乗り切った。東電は過去の最大電力より一千万キロワット、関電も原発七基分に相当する七百万キロワット近く減っている。こまめな冷房調節などが計画停電回避の原動力だ。それを思えば、供給側の電力会社も身を切るコスト削減に踏み出すべきというほかない。

 経産省が設置する「審査専門委員会」は燃料費や人件費削減が焦点になる。関電は燃料費が毎年四千四百億円増えるので、合理化策だけでなく値上げも不可避と説明しているが、釈然としない。

 現在、電力コストのほぼ半分は燃料費だ。関電はこれまで電力供給の半分強を原発に頼ってきており、原発代替の火力用燃料増加による負担増は一応理解できる。

 しかし、産ガス国に液化天然ガスの価格を決定する原油価格連動方式の見直しを粘り強く迫らず、世界最高値で買い続けていることまで理解するわけにはいかない。

 人件費削減にも甘さがある。関電は経費削減策として社員の平均年収七百九十万円を六百六十四万円へと、16%減らすことを申請に盛り込んだが、電機のシャープのように民間でしばしば見られる人員整理はしていない。

 それなら、東電値上げの際に指針となった一千人以上の大企業平均五百九十六万円を選択肢とすべきだ。人件費を電気料金に転嫁する総括原価方式を認め、燃料の高値買いを黙認してきたのは政府ではないのか。その抜本見直しは値上げ審査をする政府の役割だ。

 

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