HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52873 Content-Type: text/html ETag: "fe4d1-1863-4cf6834cbf93a" Expires: Mon, 26 Nov 2012 20:21:53 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 26 Nov 2012 20:21:53 GMT Connection: close 韓国大統領選 対日・「北」政策を注視したい : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




現在位置は
です

本文です

韓国大統領選 対日・「北」政策を注視したい(11月27日付・読売社説)

 韓国大統領選が告示され、12月19日投開票へ向け、選挙戦に入った。

 李明博政権で冷え込んだ北朝鮮や日本との関係は変わるのか。我が国にも影響を及ぼす重要な選挙だ。

 5年ぶりの今回選挙は、与党セヌリ党の朴槿恵候補と、最大野党・民主統合党の文在寅候補による事実上の保革一騎打ちだ。有力候補とみられた無所属の安哲秀氏が告示直前に出馬を辞退したためで、接戦が予想されている。

 保守勢力を代表する朴氏は、初の女性大統領を狙う。父親は、日本との国交正常化に踏み切って韓国を高度経済成長路線に導いた故朴正煕大統領である。

 一方、文氏は金大中政権以来の左派の流れをくむ。かつて朴大統領の長期独裁に反対し、投獄された経験を持つ。人権派弁護士として活動し、盧武鉉前大統領の秘書室長を務めた。

 同世代ながら対照的な経歴の2人は、政策の違いも鮮明だ。激しい論戦を注視したい。

 最大の争点は、経済政策だ。

 李大統領は、米欧などとの自由貿易協定(FTA)推進を軸に輸出を大きく伸ばしたが、富裕層と低所得者層の格差が広がった。若者の雇用難が続き、大企業だけを優遇したとの批判が強い。

 両候補が共に「経済民主化」で格差是正を掲げるのは、そのためだ。文氏は財閥改革や労働者重視に力点を置く。成長をどう確保するのか、具体策が問われよう。

 第二の争点は、対北朝鮮だ。

 文氏は、金、盧両政権の対「北」融和政策の継承をうたい、食料や肥料の大規模支援を復活させる意向だ。来年に南北首脳会談を行うと宣言した。核放棄をどう迫るのか、明らかにしてもらいたい。

 朴氏も「関係発展のためなら」首脳会談を辞さぬ構えだが、北朝鮮の挑発を抑止しつつ、信頼醸成に基づき関係を築く“漸進”主義だ。まだしも現実的と言える。

 重要なのは対日政策である。

 李大統領の竹島訪問と「天皇の謝罪」要求発言で、日韓関係は悪化した。両候補は「未来志向」を口にし、修復に前向きではある。朴氏は、日韓のFTA交渉の再開にも言及している。

 だが、竹島など特定の問題では厳しい立場のままだ。とくに文氏は、竹島問題で「これ以上、静かな外交はしない」と述べる一方、慰安婦問題でも日本政府の法的責任を追及する態度を見せる。

 強硬一辺倒で日韓関係を停滞させた盧武鉉外交の再現になりかねない、との懸念は拭えない。

2012年11月27日01時12分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

 ピックアップ

トップ
現在位置は
です