HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52613 Content-Type: text/html ETag: "100014-1819-4cef0081ddc11" Expires: Tue, 20 Nov 2012 21:21:09 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 20 Nov 2012 21:21:09 GMT Connection: close 米・ミャンマー 関係強化は中国へのけん制だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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米・ミャンマー 関係強化は中国へのけん制だ(11月21日付・読売社説)

 再選を果たしたオバマ米大統領が、現職大統領として初めてミャンマーを訪れた。

 米国の「アジア重視」戦略に沿った歴史的な訪問である。

 オバマ大統領はテイン・セイン大統領との会談後、「民主化と経済改革は驚くべき発展をもたらすだろう」と述べ、改革支援の立場を強調した。最大野党党首のアウン・サン・スー・チー氏とも会い、民主化努力をねぎらった。

 ミャンマーは軍政時代の人権弾圧などを理由に、欧米から長年にわたり経済制裁を受けてきた。

 しかし、昨春の民政移管以来、テイン・セイン政権が民主化を着実に進めたことから、オバマ政権は今年に入り、制裁を段階的に緩和した。ミャンマーとの関係改善は急速に進んでいる。

 米国が大統領の訪問で新生ミャンマーとの関係強化へ一段と踏み込んだのは、中国をけん制する狙いもあろう。軍事、経済両面で膨張する中国は、軍政時代のミャンマーと関係を強め、その影響力を増大させてきた。

 オバマ大統領が再選後初の歴訪先として、ミャンマーをはじめカンボジア、タイを選んだ意義は小さくない。

 政権2期目も、経済、安保ともに東南アジア諸国連合(ASEAN)各国との連携を深めていくという強力なメッセージだ。

 米国の動きに中国も内心穏やかではないはずだ。ミャンマーを巡る米中両国の綱引きが激化するのは避けられないだろう。

 米国はミャンマーの教育や民主化の支援に、今後2年間で約137億円を提供する方針だという。これを弾みに、テイン・セイン政権には、多方面で改革を一層進めてもらいたい。

 ミャンマーは2014年にASEAN議長国を務める。域内最貧国脱却への経済再建はこれからが正念場だ。一層の民主化には曲折も予想される。対立が続く少数民族との和解も容易ではない。

 日本や米国は協調してミャンマーの民主化や経済改革を支えていく必要がある。10月には日本が主導して、先進国と世界銀行などによる支援国会合が東京で開かれ、国際社会の支援体制も整った。

 今回、野田首相はプノンペンでテイン・セイン大統領と会談し、500億円規模の円借款を来年実施する方針を伝えた。

 ミャンマーは、日系企業の新たな生産拠点となり得る。日本政府としても、経済基盤の整備への支援を急ぐべきである。

2012年11月21日01時50分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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