HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 21 Nov 2012 01:22:34 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: 「いつの間にか歌は密室化してきていた」と作詞家の阿久悠さ…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 「いつの間にか歌は密室化してきていた」と作詞家の阿久悠さんが生前、嘆いていた。ヘッドホンで聴くことを「音の点滴」と表現し、カラオケのブームも「どこか密室に閉じ籠(こ)められている感じ」と訴えていた▼本は買うか、借りないと読めない。映画も映画館に行くか、レンタルしなければ見られない。だが、歌は空を翔(と)ぶことができる。「勝手に空気の中を泳いでいるから、感性さえ一致すればすっかり覚えることができるのである。つまり、壁がない。自由に誰の心にも入れる」(「この人生の並木道」)▼有線放送やラジオから流れるメロディーに心を動かされることがなくなった。有線から火がついて大ヒットしたこの曲には、希代のヒットメーカーも脱帽したはずだ▼♪わ〜たしがぁ ささぁげ〜えた そ〜のひ〜とぉに〜…。ちょうど四十年前の今ごろ、街角にこの人の渋い声がよく流れていた。「女のみち」を歌ったぴんからトリオの宮史郎さんだ▼宮さんが作詞し、メンバーの並木ひろしさんが作曲したシングルの売り上げは約四百二十万枚。「およげ!たいやきくん」に続くオリコン歴代二位の「国民的ヒット曲」になった▼トレードマークの口ひげが懐かしい宮さんが、六十九歳で亡くなった。宮さんをしのんで「女のみち」を聴き直してみた。寒さが募る今の季節、演歌の名曲には熱かんが似合う。

 

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