HTTP/1.1 200 OK Date: Mon, 19 Nov 2012 21:21:05 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:日朝局長級協議 最優先は「拉致」解決だ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

日朝局長級協議 最優先は「拉致」解決だ

 日本と北朝鮮の外務省局長級協議が行われ、日本側は拉致問題を提起し、協議を継続することで合意した。総選挙後の次期政権では、北朝鮮側から拉致解決に取り組むとの言質を引き出したい。

 モンゴルで二日間開かれた協議には、杉山晋輔アジア大洋州局長と宋日昊・朝日国交正常化交渉担当大使が出席した。

 日本側は拉致問題を議題として確定し、被害者の安否について再調査をするよう要求した。核・ミサイル開発の中止も求めた。北朝鮮は拉致問題を正面から拒否することはなかったが、対応について言質を与えることは避けたようだ。総選挙後の次期政権をにらんで、態度を保留したとみられる。

 民主党政権では三年二カ月間に拉致担当相が法相の兼務も含めて七人も交代した。これでは内容のある交渉は望めない。

 ただ、野田政権になって徐々にだが進展はみられた。八月には四年ぶりとなる政府間協議(課長級)が行われ、今回局長級に格上げされた。赤十字社の会談も実現し、太平洋戦争の終戦前後の混乱期に植民地下の朝鮮半島で死去した日本人の遺骨の確認と、遺族の墓参も初めて行われた。

 一方で金正恩体制は日朝関係の改善を望んでいる。経済再建が緊急の課題であり、経済制裁の緩和、食料など人道支援を期待しているはずだ。

 日本側はまず政府間対話を定例化し、拉致問題の解決に取り組まない限り国交正常化交渉は進めないという原則を重ねて伝えるべきだ。同時に、進展があれば関係改善策を提示する戦略も視野に入れる必要があろう。

 来年の早い時期には、北朝鮮をめぐる各国の外交が動きだすだろう。再選されたオバマ米大統領は北朝鮮の核・ミサイル開発を止めるため対話再開を模索している。韓国大統領選の有力三候補はいずれも、現政権よりは南北対話に比重を置くと公約している。

 十年前、拉致被害者五人が帰国を果たした当時、北朝鮮は米韓両国との外交も活発に展開していた。日本政府はそれを教訓とし、北朝鮮の軟化を引き出すために米韓との連携を強めたい。

 政府は認定した拉致被害者十二人が今も生存しているとみている。横田めぐみさんが拉致されてから三十五年が過ぎた。八十歳になった父滋さんは、日朝協議を「命懸けでやってほしい」と訴えている。

 

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