
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 54580 Content-Type: text/html ETag: "1172e-1f4c-4ceb354b51b49" Expires: Sat, 17 Nov 2012 22:21:04 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 17 Nov 2012 22:21:04 GMT Connection: close
![]() 民主党政権総括 政治の劣化を招いた「脱官僚」(11月18日付・読売社説)◆一体改革法成立は歴史的成果だ◆ 衆院選前にまず行うべきは、3年2か月に及ぶ民主党政権の総括だ。数々の失政を真剣に反省して、その教訓を新たな主張に反映できるのかが民主党に問われている。 読売新聞世論調査では、鳩山内閣発足時の支持率が75%だったのに対し、現在の野田内閣は24%。政権交代に対する国民の期待の大きさと失望の広がりを物語る。 民主党政権で政治の混乱と停滞が続いたのは、衆参ねじれ国会だけでなく、政権担当能力の未熟さに起因する部分が大きい。 ◆数々の失政を反省せよ◆ その象徴が、政権公約(マニフェスト)の破綻だ。民主党自身の検証でも、170件の政策のうち実現できたのは、高校無償化など53件、約3割にとどまる。 予算組み替えで「年16・8兆円の財源確保が可能」とした甘い見通し、関係者との事前調整なしに掲げた「八ッ場ダムの建設中止」の挫折など、反省点は多い。 誤った「政治主導」は、政府の機能を大幅に低下させた。 事業仕分けは、官僚たたきのパフォーマンスに過ぎず、捻出できた財源は限定的だった。 野党的体質から官僚を敵視し、「脱官僚」を進めた結果、官僚は指示待ちになる一方、政治家には重要情報が入らず、政官双方の劣化を招いた。菅内閣での東日本大震災の被災者支援や原発事故対応の遅れと混乱が典型例だ。 政治家は本来、官僚を使いこなし、その能力を最大限引き出すことにこそ、腐心すべきだ。 当初は、安全性を確認した原発は活用するとしていたのに、場当たり的に非現実的な「原発ゼロ」方針を掲げ、米国や関係自治体との調整不足から迷走を重ねた。 経済再生を掲げながら実効性ある成長戦略を打ち出せず、経済界との足並みもそろわなかった。 「コンクリートから人」のスローガンの下、政府の公共事業費は当初予算ベースで2009年度の7・1兆円から12年度の4・6兆円に減り、地方は疲弊した。 一方で、それ以外のバラマキ政策などによって、一般会計当初予算は、09年度の88・5兆円から12年度は実質96・7兆円(復興費などを含む)に膨張している。 毎年30兆円超の赤字国債発行により財政は一層悪化し、国債発行残高は594兆円から今年度末に709兆円に増える見通しだ。 小沢一郎元代表は、元秘書3人が政治資金規正法違反で有罪になっても責任を取らず、民主党のクリーンなイメージを傷つけた。 ◆党内対立が常に続いた◆ 党内では「親小沢対反小沢」の路線対立が続いた。03年の自由党との合併時に非自民勢力の結集を優先し、理念や政策をすり合わせなかったことのツケと言える。 野党なら党内の政策の違いを 党政策調査会が廃止、復活を経て強化されるなど、政策決定システムも安定しなかった。 活発に議論はするが、期限に結論が出ない。決定事項に従わず、過去の経緯を踏まえず議論を蒸し返す。議事録がないため議論が蓄積されず、深まらない。党内の政策論議のたびに民主党の未熟な政治文化が露呈した。 外交の迷走は国益を損ねた。 鳩山元首相による米軍普天間飛行場移設問題の混乱が日米同盟を弱体化させ、沖縄に不信感を残した。その傷は今も癒えない。 尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件、メドベージェフ露首相の北方領土訪問、李明博韓国大統領の竹島訪問など、領土問題で近隣国につけ込まれる一因ともなった。 ◆野田首相は他にも実績◆ 民主党政権の歴史に残る成果は社会保障・税一体改革関連法を成立させたことだ。自民党も重要な役割を果たしたが、野田首相が政治生命をかけて退路を断ち、党分裂という重い代償も辞さずに突き進んだことが原動力だった。 首相は関西電力大飯原発の再稼働で指導力を発揮し、環太平洋経済連携協定(TPP)参加問題でも積極姿勢を示した。鳩山、菅政権の「負の遺産」を抱えつつ一定の実績を残したと評価できる。 外交・安全保障分野では、核持ち込みなどに関する日米密約を解明し、武器輸出3原則を緩和した。いずれも自民・公明連立政権では実現できなかった長年の課題であり、政権交代の効用と言える。 (2012年11月18日01時24分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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