HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 15 Nov 2012 20:22:29 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: <うそは、誠実につかねばならない。だまそうとする場合、誠…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 <うそは、誠実につかねばならない。だまそうとする場合、誠心誠意だまさねば−必要なら相手と心中するほどの覚悟でだまさねばだませるものではないことも、信長は知っていた>。司馬遼太郎さんの『夏草の賦』から引いた▼織田信長という歴史上の大人物と比べること自体が失礼かもしれないが、「近いうちに信を問う」という発言をめぐり、「うそつき」と罵(ののし)られることは耐えられない屈辱だったのだろう▼きのうの党首討論で、野田佳彦首相は衆院の定数削減という条件をのめば「十六日に解散してもよい」と明言した。自民党は協力する方針を決め、十六日に解散、来月十六日に投開票という流れが一気に決まった▼党首討論で野田首相は、小学生の時の通信簿に触れた。教師の講評に「正直の上に『ばか』がつく」と書かれたことに、父親が頭をなでて喜んでくれたというエピソードを感情を込めて披露した▼これ以上の解散先送りは、うその上塗りになると考えたのか。誠実にうそをつく、という老獪(ろうかい)さは持ち合わせていなかった。党内の猛反対をはねのけるためには退路を断つしかない、とあえて具体的な日程を公の場で口にしたと推察する▼第三極の選挙準備を封じたいという思惑もあろう。選挙後の政権の枠組みは霧の中だ。ただ、言えるのは、民主党政権の命脈は三年三カ月で尽きたということだ。

 

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