HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52230 Content-Type: text/html ETag: "16d6c-1815-4ce125570d28f" Expires: Sat, 10 Nov 2012 03:21:49 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 10 Nov 2012 03:21:49 GMT Connection: close 東電支援要請 現実的な再建計画に改めよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




現在位置は
です

本文です

東電支援要請 現実的な再建計画に改めよ(11月10日付・読売社説)

 東京電力再建の道筋が不透明になってきた。

 東電が政府に新たな支援策の検討を要請すると発表した。福島第一原子力発電所事故の賠償や廃炉の費用が膨らみ、自力では立ち行かないと判断したという。

 政府は5月、東電再建に向けた「総合特別事業計画」を認定し、東電を国有化した。国が賠償資金を5兆円まで立て替える支援策も講じられた。

 しかし、東電は賠償負担が10兆円規模に膨らみ、完済のメドが立たなくなるとしている。経営体力が低下し、人材も流出することが懸念される。電力の安定供給に支障が出て、経済や国民生活に打撃を与えかねない。

 早くも支援策のほころびが露呈したのは、そもそも計画自体がずさんだったからだ。

 政府が「東電救済」への批判を恐れ、賠償や廃炉の費用をすべて東電に押しつけた責任は重い。東電が負担する仕組みのためか、政府・民主党が相次いで賠償の積み増しや除染拡大を決め、コストを膨らませている面もある。

 東電を国有化した政府は、国も応分の負担をする現実的な支援策に改めるべきだ。

 東電の事業計画は、2013年度決算で利益を黒字にするとの目標を掲げている。来年度から新潟県の柏崎刈羽原発の再稼働をスタートさせることが前提となる。

 ところが、野田政権が打ち出した「原発ゼロ」方針が、再稼働の足かせとなっている。事業計画を認定した枝野経済産業相は、再稼働の判断を原子力規制委員会に任せきりにする無責任な態度だ。

 こうした場当たり的なエネルギー政策が、諸悪の根源である。政府は「原発ゼロ」を撤回し、安全を確認できた原発の再稼働を推進するべきだ。

 東電の経営悪化を防がないと、4月から順次、値上げされた東電の電力料金が、さらなる値上げを迫られる恐れがある。失政のツケは、国民の負担に跳ね返る。

 もちろん、東電による一層の経営努力は欠かせない。

 東電は追加支援の要請にあわせて、経営改革の行動計画をまとめた。4000人規模の福島復興本社を新設し、損害賠償や除染の取り組みを強化するという。賠償の遅れなどに、被災者の不満は強い。早急な改善が必要である。

 年1000億円の経費削減を追加したのは妥当な措置と言える。独占企業の甘えを徹底的に排し、合理化をさらに加速させることが求められよう。

2012年11月10日01時18分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

 ピックアップ

トップ
現在位置は
です