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![]() 田中文科相問題 一転認可に反省と謝罪がない(11月9日付・読売社説)「不認可」とされるべきは大学ではなく、閣僚ではなかったのか。 田中文部科学相が、秋田公立美術大など3大学の新設を不認可とした自らの発言を全面撤回し、認可を決定した。 混乱は収束し、3大学は予定通り、来春の開校が可能になった。 政治主導をはき違えて、大学や入学希望者を困惑させ、教育行政に対する信頼を失墜させた。田中氏の責任は極めて重大である。 だが、いまだに反省の色を見せていない。田中氏が「今回、逆に良い宣伝になった」とまで言い放つのは論外だ。3大学に対し、すみやかに謝罪すべきである。 3大学については、文科相の諮問機関「大学設置・学校法人審議会」が、新設の認可を答申したにもかかわらず、田中氏がこれを覆し、文科官僚が追随した。 「大学の乱立に歯止めをかけるため」と田中氏は主張したが、大学政策全般の見直しは、個別大学の新設認可とは切り離して検討すべきテーマである。 田中氏は不認可への批判が高まると、「新基準で再審査する」と唐突にルール変更を唱えた。 同時に、「現時点で不認可処分は行っていない」と言い逃れた。「事務方が真意をくみ取らなかった」と、官僚に責任を転嫁する発言をしたのも見苦しい。 田中氏は小泉内閣の外相当時、常軌を逸した言動や外務官僚との確執で日本外交を大混乱させた人物である。 問題は、その田中氏の「発信力」に期待して、閣僚に選んだ野田首相の任命責任にとどまらない。田中氏から事前に不認可の方針を聞きながら、それを止めなかった首相や藤村官房長官の管理能力の欠如も厳しく問われよう。 田中氏によると、事前説明の際、首相は「そのまま推し進めてください」と答えたという。田中氏のスタンドプレーが世論の支持を得るとでも思ったのだろうか。 藤村官房長官は8日の記者会見で「大臣として間違ったことをしたとは、たぶん誰も受け止めていない」と、田中氏を擁護した。どこかネジが緩んでいないか。 文科省は今回の問題を機に、大学の設置認可制度の見直しに着手する。政府の規制緩和政策の下、大学数が急増し、教育の質の低下が懸念されているのは確かだ。 制度の変更は大学政策の根幹にかかわる問題だけに、拙速を避け、議論を尽くす必要がある。 これ以上、田中氏の思いつきに振り回されてはかなわない。 (2012年11月9日01時21分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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