HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 40127 Content-Type: text/html ETag: "1054745-23f9-70d73c00" Cache-Control: max-age=1 Expires: Sun, 04 Nov 2012 21:21:06 GMT Date: Sun, 04 Nov 2012 21:21:05 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語
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天声人語

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2012年11月5日(月)付

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 紙上では小欄の右ではじける「しつもん! ドラえもん」が記念の千回を迎えた。この小さな扉からニュースの森に入り、気づけば「皆勤(かいきん)」という読者もおられよう。扉を開けたくなる絵を日々描き下ろす、藤子プロの力業(ちからわざ)にも脱帽だ▼「千つながり」で続けたい。「千と千尋(ちひろ)の神隠し」などで知られるアニメ監督、宮崎駿(はやお)さんが文化功労者に選ばれた。コメントが出色だった。「映画は常に、文化を破壊し、損ねる可能性を持っています。いつも危うい道のりに立っていると自戒し、浮かれないことにします」▼感性に真っすぐ届く作品群は、ひとつ誤ると退廃に転ぶ。映像の持つ力を知り尽くす人ならではの戒めだろう。宮崎アニメや藤子マンガほどのパワーはないが、「危うい道のり」を行く恐れは当方とて同じである▼同僚と分担するこのコラムも6年目にして、それぞれ千本を数える。自戒のリストには「書き写すに足るか」が加わった。千の節目、さらなる精進をお約束する▼京都大学で学生さんに話す機会があった。こんな顔でも小一時間さらしただけで、「親しみがわいた」との感想を多数いただいた。どうやら小欄は、お堅い仙人風が帳(とばり)の向こうで筆を執るイメージらしい▼食わず嫌いもあろうから、小さな好奇心を新聞へと誘(いざな)うドラえもんは格好の入り口だ。「こたえ」を探したら、情報の海に遊ぶもよし、論争の山で悩むのもいい。言葉を踏みしめて分け入るほどに、トトロの森のように深く、豊かな世界が待つ。

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