HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52337 Content-Type: text/html ETag: "a77cd-18d3-4cd71bb6b2284" Expires: Thu, 01 Nov 2012 22:21:45 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 01 Nov 2012 22:21:45 GMT Connection: close 民主党公約検証 破綻した原因の究明が先だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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民主党公約検証 破綻した原因の究明が先だ(11月2日付・読売社説)

 なぜ民主党は3年前、あんな無責任な政権公約(マニフェスト)を掲げてしまったのか。その失敗を真剣に反省し、次期衆院選に向けて内容を練り直さねばならない。

 民主党が全国政策担当者会議で2009年衆院選マニフェストの実績検証結果を示した。

 170件の政策のうち、実現したのは高校授業料無償化、農家への戸別所得補償など、約3割にとどまった。一部実施が子ども手当などで最も多く、着手が企業団体献金禁止など、未着手はガソリン税の暫定税率廃止などである。

 民主党は、実現に努力してきたことを強調したいのだろう。

 だが、一部実施には、既に予算計上をやめた高速道路無料化などが含まれる。着手にも、実現の見通しのない衆院比例定数80削減や月7万円の最低保障年金などが入っている。お手盛りによる自己満足と言わざるを得ない。

 より問題なのは、国の総予算207兆円の全面組み替えで年16・8兆円の財源を捻出するというマニフェストの根幹が崩壊した理由を何ら検証していないことだ。

 そもそも、内容や財源に多くの欠陥を抱えるマニフェストの達成状況を明示することに、どれほどの意味があるのか。

 検証するなら、むしろ個別政策の妥当性や、マニフェスト作成過程の問題点を対象にすべきだ。

 官僚の天下り先の公益法人や国の出先機関の「原則廃止」、独立行政法人の「全廃を含めて抜本的な見直し」などは、大衆迎合主義(ポピュリズム)の発想で、実現性を無視した目標設定だった。

 子ども手当や暫定税率廃止などについては、巨額財源の裏付けがないのに、小沢一郎元代表ら一部の幹部が「政権をとれば財源はいくらでも出てくる」といった安易な議論で決定した経緯に重大な瑕疵(かし)があったと言うべきだろう。

 外交分野は、進捗(しんちょく)状況の数値化や評価が困難との理由で、今回の検証対象から除外されている。

 ただ、当時の鳩山代表が米軍普天間飛行場の移設先を「最低でも沖縄県外」と発言したことで日米関係を損ない、日本外交を迷走させたことを忘れてはなるまい。

 民主党は、今回の検証結果を踏まえて、党内や地方組織の意見を幅広く聞き、次のマニフェストの策定作業に反映させるという。

 前回マニフェストに含まれず、検証の対象にならなかった「消費税を含む税制の抜本改革」についても、しっかりと論議し、現実的な内容を盛り込む必要がある。

2012年11月2日01時43分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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