HTTP/1.1 200 OK Date: Mon, 29 Oct 2012 21:21:04 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:衆院補選 政策を競い合わぬ不毛:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

衆院補選 政策を競い合わぬ不毛

 衆院鹿児島3区補選は、自民党候補が与党候補らを破った。次期衆院選の前哨戦という位置付けだったが、自民、与党両候補間に政策の顕著な違いはなく、マニフェストづくりに課題を残した。

 国民新党の松下忠洋金融・郵政担当相死去に伴う今回の補選は、昨年九月の野田佳彦首相就任後、また今年九月の安倍晋三自民党総裁誕生後、初の国政選挙だ。

 共産党と諸派を含め四候補が立候補したが、松下氏の政策秘書だった国民新党新人、野間健氏(54)=民主党推薦=と、前回衆院選で松下氏に敗れた自民党元職、宮路和明氏(71)=公明党推薦=との事実上の一騎打ち。

 一補選の結果で全国情勢を語るのは無謀だが、内閣と民主党の支持率の低迷に伴い、自民党が復調したことは読み取れる。

 「近いうち」の衆院解散を明言した首相に年内解散を迫る自民党は、安倍総裁自ら候補者応援に駆けつけた。新体制発足後初の国政選挙を制したことは、政権奪還に向けた弾みとなるだろう。

 公認候補並みに応援態勢を敷いた民主党には手痛い敗北だ。党勢立て直しのために、解散先延ばし論が勢いづくかもしれない。

 ただ選挙戦では、消費税増税や選挙区内にもある原発の再稼働の是非、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加問題など国政上の重要課題は争点化しなかった。

 両候補の訴えが、消費税増税と原発再稼働に賛成、TPPに反対と、同じだったからだ。

 もともと自民党の地盤が強い選挙区で、野間氏が遺志を引き継ぐとした松下氏も同党出身。両陣営は政策の違いよりも「世代交代」(野間陣営)「政権奪還」(宮路陣営)など政策以外に訴えの重点を置いた。主要政策に違いがなければ政策論争となりようがない。

 補選とはいえ、政党同士が政権を目指して政策を競う小選挙区制の本来の在り方からは程遠い。

 衆院議員の任期満了まで一年を切り、各党はマニフェストづくりを進めている。有権者が政権を選択するには、判断材料となる理念・政策と、その実現に向けた具体的な道筋、特に財源の捻出方法が重要だ。

 既成政党はもちろん新たに国政進出する日本維新の会、減税日本、石原慎太郎東京都知事率いる新党も同様である。政策の一致なき連携は野合との誹(そし)りを免れない。マニフェスト破りの消費税増税を強行した民主党の轍(てつ)を踏まぬよう、政策の詰めを急ぐべきである。

 

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