HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52165 Content-Type: text/html ETag: "abda0-1809-4ccf8d596078a" Expires: Sat, 27 Oct 2012 00:21:45 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 27 Oct 2012 00:21:45 GMT Connection: close 緊急経済対策 「急場しのぎ」では力不足だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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緊急経済対策 「急場しのぎ」では力不足だ(10月27日付・読売社説)

 申し訳程度の経済対策では、景気の腰折れを防ぐことはできまい。政府は危機感を強め、景気浮揚策に全力であたるべきである。

 政府が、事業規模7500億円の緊急経済対策を閣議決定した。海外経済の減速を受け、輸出や国内生産が低迷しているためだ。日中関係悪化の影響で、対中輸出にも陰りが出てきた。

 政府は景気判断を3か月連続で下方修正した。景気後退の瀬戸際にあると言えよう。日本経済の悪化を食い止めるため、機動的に対応した点は評価できる。

 ただし対策は、環境や医療など政府が「日本再生戦略」で掲げた重点分野の前倒しが中心だ。

 東日本大震災の被災地への補助金追加や学校施設の老朽化対策、尖閣諸島問題などを受けた海上保安庁の装備増強も盛り込んだが、内容は新味に欠ける。

 さらに問題なのが、十分な財源もなく、今年度予算の予備費で急場をしのいだため、事業規模が小粒にとどまったことだ。国内総生産(GDP)の押し上げ効果は、わずか0・1%という。

 政府は11月中に対策の第2弾をまとめる方針というが、財源確保のために編成すべき補正予算のメドさえ立っていない。

 まずは来週からの臨時国会で、今年度当初予算の財源を確保するための特例公債法案を、早急に成立させることが不可欠だ。

 国の資金不足で地方交付税や補助金支給が厳しく抑制されている中で、本格的な経済対策を実施することは難しい。

 自民、公明など野党が、解散時期の明示に拘泥して法案成立への協力を拒み続ければ、いずれ国庫は底をつき、行政サービスがストップしてしまう。国民生活と経済には深刻な打撃となろう。

 選挙をにらんだ政局的な駆け引きに終始して、国民生活に犠牲を強いるなら、「政治不況」の責任を負うのは政府・民主党だけではない。野党も同罪である。

 復興予算が、被災地に関係のない事業に“転用”された問題もある。厳しい財政事情のもとで、復興に便乗した予算のムダ遣いは許されない。

 補正予算編成にあたっては、新規事業の追加ばかり考えるのではなく、効果の乏しい施策を取り下げ、必要な事業に予算を配分し直すことが重要だ。

 民主党の政権公約(マニフェスト)に沿ったバラマキ政策についても、さらに厳しく「仕分け」するよう求めたい。

2012年10月27日01時29分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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