HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52465 Content-Type: text/html ETag: "fff11-18b1-4ccbcbdf4f05b" Expires: Tue, 23 Oct 2012 22:21:49 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 23 Oct 2012 22:21:49 GMT Connection: close 米大統領選 対中圧力で一致した外交討論 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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米大統領選 対中圧力で一致した外交討論(10月24日付・読売社説)

 接戦の米大統領選を制するのはどちらか。

 再選に挑む民主党のオバマ大統領と、政権奪還を目指す共和党候補のロムニー前マサチューセッツ州知事が、最後のテレビ討論会で熱の入った論戦を展開した。

 終了直後の世論調査ではオバマ勝利と見る結果が出た。失業率が7・8%に改善されたのと合わせオバマ氏に追い風となろう。

 だが、支持率は拮抗(きっこう)している。11月6日の投開票まで、激しい競り合いが続くのは間違いない。

 討論会のテーマは、外交・安全保障問題だった。

 「アラブの春」やシリア内戦で混沌(こんとん)とする中東情勢、北朝鮮の核武装問題、東シナ海や南シナ海における中国の軍事的膨張などに、超大国・米国の次期大統領はどう対処していくのか。日本はじめ世界中が注目した。

 ロムニー氏は「この4年間に米国の影響力は世界で弱体化した」と“弱腰”外交を攻撃した。

 オバマ氏は、経済をテーマとした討論会では精彩を欠いたが、外交問題では雄弁だった。

 イラクでの戦争を終わらせ、アフガニスタンでも米軍撤収に道筋をつけた。イラン核開発の阻止へ制裁強化が効果をあげている。こうした実績を示しながら、「米国は強くなった」と反論した。

 だが、中国など新興国の台頭によって相対的に米国の影響力が弱まっているという意味では、ロムニー氏の指摘は正しい。

 その中国を巡り、オバマ氏は、「敵であると同時に、ルールに従うなら国際社会でのパートナーになり得る」と述べた。

 米国にとって中国は、主要な貿易相手国であり最大の貿易赤字相手国である。米国債の保有残高では日本を抜き世界最大の債権国となった。警戒すべき相手であると同時に相互依存の関係にある。

 オバマ氏は、経済では国際基準に従うよう圧力をかけ、安全保障政策では同盟国などと連携を強化する路線を強調したと言える。

 ロムニー氏も、中国のルール違反には厳しく対処し、「就任当日に為替操作国に指定する」と明言した。オバマ政権より強硬な対中姿勢を示したものだ。

 オバマ氏は、米国が太平洋国家としてアジアを重視することを再確認した。ロムニー氏も基本的な認識は一致している。日本としては、歓迎できる。

 日本は、米国と共に、中国に国際ルールを順守するよう求め、領土の保全や、航海、貿易の自由の確保に万全を期す必要がある。

2012年10月24日01時33分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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