HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 39600 Content-Type: text/html ETag: "f8664f-211e-11a8c100" Cache-Control: max-age=2 Expires: Wed, 24 Oct 2012 03:21:08 GMT Date: Wed, 24 Oct 2012 03:21:06 GMT Connection: close
大学入試問題に非常に多くつかわれる朝日新聞の天声人語。読んだり書きうつしたりすることで、国語や小論文に必要な論理性を身につけることが出来ます。会員登録すると、過去50日間分の天声人語のほか、朝刊で声やオピニオンも読むことができます。
|
さるジョーク集より。「玄関の花瓶、ボクが割らないかずっと心配してたよね、ママ」「それで?」「もう心配しなくていいよ」――。国会を乗り切れるか危ぶまれた田中法相が辞任した。心配の種は消えたが、政権の信頼という「花瓶」は粉々だ▼献金や暴力団絡みの傷を持つ田中氏は、法の元締に適さないばかりか、答弁力も不安視されていた。国政より党内融和を考えてか、氏を重職に就けた野田首相も甘い▼民主党の惨状には目を覆う。解散怖(こわ)しで遅らせてきた臨時国会では、赤字国債、定数是正などの急務を片づけ、「近いうち」に信を問うしかなかろう。自民党も策を弄(ろう)する時ではない。席に着き、決めるべきは決め、言論で内閣を追い込むべし▼駆け引きに終始する二大政党を見るにつけ、いつにもましてまぶしいのは米大統領選だ。投票まで2週間、弁舌で鳴らすオバマ大統領に、共和党のロムニー候補が食い下がる。両者の支持率は拮抗(きっこう)し、3回の討論会はどれも白熱した▼最終回は外交がテーマ。アラブの春から中国の脅威まで約90分、現職がさすがの安定ぶりなら、挑戦者も得意の経済に引きつけて反撃を試みる。「ベスト2」の真剣勝負とは知りながら、つい永田町の「口べた」と比べていた▼しゃべりは政治家の生命線である。口だけでも困るが、わが国会が退屈なのは「ただの頭数(あたまかず)」が多いせいだろう。論戦力における雲泥の隔たりを思えば、日米で佳境を迎えたベースボールの実力差など、無いに等しい。