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中国GDP 景気減速をどう食い止める(10月21日付・読売社説)

 欧州危機の影響や、日中関係の冷え込みなどから、中国経済の減速に歯止めがかからない。中国政府の景気テコ入れ策が焦点になってきた。

 中国の2012年7〜9月期の国内総生産(GDP)の速報値は実質で前年同期比7・4%増となり、7四半期連続で減速した。政府が掲げてきた今年の成長目標7・5%を下回った。

 中国にとって、8%成長は経済や雇用を維持する「最低ライン」とされる。だが、景気底入れの見通しは立たず、12年通年の成長率も13年ぶりに8%を割る公算が大きくなったと言えよう。

 成長センターとして世界経済を牽引(けんいん)してきた中国経済のもたつきで、日本などに悪影響が広がることを警戒しなければならない。

 中国の景気減速は、最大の輸出相手である欧州の信用不安が拡大し、欧州向け輸出が不振だったことが主因だ。このため、輸出企業などの生産が停滞している。

 沖縄県・尖閣諸島を巡って日中関係が悪化している影響もある。中国で自動車などの日本製品の不買運動が広がって販売が落ち込んだ。エンジン役である個人消費の勢いも鈍っている。

 中国リスクの高まりで、多くの日本企業が中国での減産を決めた。日本から部品を輸出し、中国で完成品に組み立てるという分業体制にも支障が出始めている。

 こうした動きが広がれば、生産低迷に加え、日系工場などで働く中国人の雇用や所得環境が悪化し、景気は一段と冷え込もう。

 中国政府は4年前のリーマン・ショック後、大型景気対策でV字回復をいったん達成した。反面、不動産バブルなどの副作用を招いたため、当局は今回、同じような大型対策には慎重とされる。

 ただ、中国は来月、習近平国家副主席が最高指導部を率いる新体制に移行する不安定な時期にある。景気減速を食い止めないと、政府の基盤が揺らぎかねない。

 都市と農村の経済格差や、若者の失業増大なども社会問題化している。安定成長を維持することが何よりも求められよう。

 具体的には、すでに進めている高速道路などインフラ整備の前倒しを加速するとともに、個人消費の活性化策が欠かせない。追加の金融緩和策も選択肢となる。成長とバブル再燃阻止を両にらみし、迅速に対応してもらいたい。

 日中貿易を拡大し、日本からの投資を呼び込むことが必要だ。中国当局は対日強硬姿勢を改め、関係正常化を急ぐべきである。

2012年10月21日01時30分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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