HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 20 Oct 2012 21:21:05 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:委員会欠席 法相を直ちに罷免せよ:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

委員会欠席 法相を直ちに罷免せよ

 暴力団関係者との交際や外国人献金が発覚した田中慶秋法相が、国会の委員会を欠席した。公務が理由だが、追及逃れは明白だ。もはや閣僚の資格はない。野田佳彦首相は直ちに罷免すべきだ。

 九月の民主党代表選で野田氏の再選を支持した旧民社党グループの会長を務める田中氏を閣僚に起用した「論功行賞」人事のつけが回ってきたと言うべきであろう。

 田中氏は十九日午前、体調不良を理由に閣議を欠席。病院で診察を受け、そのまま入院した。海外出張などを除いて閣僚の閣議欠席は異例だそうだが、病気なら分からないでもない。

 問題は、十八日に開かれた参院決算委員会の閉会中審査を、野党側の出席要求があったにもかかわらず欠席したことだ。公務を理由としているが、当日になって急きょ入れた予定もあるという。

 田中氏は、過去に暴力団関係者の宴席に出席したことや、別の暴力団関係者の仲人を務めていたことを認め、政治資金規正法で禁じられている外国人からの政治献金を受けていたことも発覚した。

 閉会中審査は、復興予算の流用問題が主なテーマだったが、自民党の委員は田中氏に対し、献金問題も質問すると通告しており、委員会欠席は追及逃れのためと疑われて当然だ。国権の最高機関である国会軽視との誹(そし)りは免れまい。

 憲法六三条は、首相と閣僚は「答弁又は説明のため出席を求められたときは、(国会に)出席しなければならない」と、九九条は大臣、国会議員ら公務員の憲法尊重・擁護義務を定めている。

 法務行政のトップが、憲法をないがしろにしていいはずがない。田中氏は法相辞任の意向がないことを藤村修官房長官に伝えたという。自発的に辞めないのなら、首相は罷免するのが筋である。

 そもそも首相は田中氏の法相、拉致担当相としての資質、能力をどこまで検討して起用したのか。適格性を見極めず、単なる論功行賞だとしたら人事権の乱用だ。首相も任命責任を免れまい。

 首相は臨時国会を二十九日に召集するという。赤字国債を発行する特例法案や衆参両院の「一票の格差」是正など、取り組むべき懸案は山積している。

 首相は自民、公明両党が求める衆院解散時期の明示を拒み、国会審議への野党側の協力を得るのは難しい状況だが、政権、国会運営の責任を負うのは首相だ。まずは法相を罷免し、懸案処理の環境整備に努めるべきである。

 

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