HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52757 Content-Type: text/html ETag: "ad7c7-1843-4cc57f1ae6099" Expires: Fri, 19 Oct 2012 01:21:05 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 19 Oct 2012 01:21:05 GMT Connection: close 原発と活断層 公明正大な調査が求められる : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




現在位置は
です

本文です

原発と活断層 公明正大な調査が求められる(10月19日付・読売社説)

 政府の原子力規制委員会が11月から、原子力発電所の真下に活断層がないかどうかを確認する現地調査に乗り出す。

 原発が地震に直撃されることのないよう、安全性を厳格に調べる必要がある。

 調査対象の第1号は、東日本大震災後、初めて再稼働した福井県の関西電力大飯原発だ。

 地震に詳しい島崎邦彦委員長代理と、活断層の専門家4人が現地入りする。石川県の北陸電力志賀原発など5か所でも、順次、同様の調査を予定している。

 これら6原発については、設計・建設時には、直下に活断層がないとされていた。ところが、東日本大震災後に、旧原子力安全・保安院が当時の資料を改めて検討したところ、活断層の存在を疑わせるデータが出てきた。

 電力会社の過去の調査で、別々の断層を一つの断層としたとみられる不備も見つかっている。

 原発の真下で活断層が激しく動くと、原子炉本体が傾き、重要設備が損傷するなど、想定外の事態に陥りかねない。

 東日本大震災の後、日本列島の地層状況が変化して、活断層も動きやすくなったとも言われる。規制委の調査により、そうした可能性を詳しくチェックし、懸念を払拭することが求められよう。

 規制委は、原発の真下で活断層の存在が確認されれば、電力会社に、原発の運転停止や廃炉を求める方針を表明している。

 調査結果を踏まえ、安全性が疑われる原発を厳しく「仕分け」することは妥当と言える。

 問題は、専門家の間でも、しばしば活断層の判定が食い違うことだ。地層や岩盤中には通常、多くの亀裂や割れ目がある。これが将来、どのくらい激しく大きく動くか、見極めは容易でない。

 田中俊一規制委員長は、「科学技術的にグレーというのは非常に難しい」と述べている。

 だが、根拠のあいまいな評価で廃炉を求めることはできまい。

 規制委は、活断層と判定する明確な統一基準を早急に設けるべきだ。基準がないのに廃炉を要求すれば、電力会社が訴訟に持ち込むケースも出てくるのでないか。

 もちろん、電力会社は、規制委の評価を待つだけではなく、安全性の確認を怠ってはならない。

 電力会社が過去の地盤調査の資料をきちんと保管していないというずさんな例も指摘された。

 地震で原発災害が起きれば、電力会社は責任を免れないことを肝に銘じてもらいたい。

2012年10月19日01時30分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

 ピックアップ

トップ
現在位置は
です