HTTP/1.1 200 OK Date: Thu, 18 Oct 2012 22:22:29 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: 戦前、戦後、阪神タイガースの監督を務めた松木謙治郎さんは…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 戦前、戦後、阪神タイガースの監督を務めた松木謙治郎さんは「鉄の暴風」と呼ばれた沖縄戦に一等兵として従軍。奇跡的に生き延びて捕虜になって生還した。その体験記が今年三月、約四十年ぶりに復刊された▼知り合った家族が日本軍の下士官によって壕(ごう)から追い出され、米軍の砲弾の犠牲になった。そのことに強い怒りをぶつける場面もある。重傷を負った軍属の女性教師が自爆死した時は、「このときほど戦争の悲惨さを知らされたことはなかった」と記した▼将官と兵、軍属の恩給に格段の差がある現実。「敗戦国が人間一人の生命にこんな大差をつける必要があるだろうか」と憤ったのは、苛烈な戦場では一兵卒から死んでいくことを知っているからだろう▼本土決戦の「捨て石」にされた沖縄は、米軍が居座り、本土復帰後も重い基地負担を強いられている。住民の反対でハワイでは中止になった新型輸送機オスプレイの飛行訓練も、普天間飛行場では強行された▼訓練開始への怒りが燃え盛る中、米兵二人が集団強姦(ごうかん)致傷容疑で逮捕された。「空にはオスプレイ、地上には歩く凶器がいる。県民はどこを歩けばいいのか」。市民団体の女性代表の言葉に県民の怒りが集約される▼すべての国民にとって人ごとではない。基地を押し付けて何も感じない自らの醜さを自覚しなければ、沖縄の心は離れるばかりだ。

 

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