HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52422 Content-Type: text/html ETag: "ad7c0-18d4-4cc43a6c57149" Expires: Wed, 17 Oct 2012 20:21:04 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 17 Oct 2012 20:21:04 GMT Connection: close 参院1票の格差 抜本改革へ最高裁の強い警告 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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参院1票の格差 抜本改革へ最高裁の強い警告(10月18日付・読売社説)

 「1票の格差」の抜本的な是正に取り組まない国会に対する最高裁の強い警告である。

 1票の格差が最大5・00倍となった2010年の参院選について、最高裁大法廷は「違憲状態にあった」との判決を言い渡した。

 15人の裁判官のうち12人の意見で、残る3人は、より厳しい「違憲」判断を示した。

 最高裁は、都市部への人口集中が進む中で、47都道府県を単位とする選挙区制度のままでは、「投票価値の平等という要求に応えるのは、もはや著しく困難」と改めて指摘した。

 現行制度では、人口が最も少ない鳥取県にも定数2を割り振らざるを得ないからだ。

 民主、自民両党が先の通常国会に提出した公職選挙法改正案は、この制度に手を付けず、選挙区定数を「4増4減」するものだ。

 判決は、一部の選挙区の定数を増減させるだけでは解決にならない、との見解も示した。仮に「4増4減」案が成立しても、違憲状態は解消されないとの疑義が示されたとも言える。

 こんな弥縫(びほう)策だけで来夏の参院選を迎えれば、選挙後、定数訴訟が相次いで起こされるのは間違いないだろう。裁判所が違憲と判断し、一部選挙を無効とする判決を出す可能性すら排除できない。

 与野党は、「4増4減」よりも踏み込んだ定数是正案をまずは検討すべきではないか。

 最高裁が求める抜本的な制度改革も急ぐべきである。

 10年からの与野党の参院選制度改革論議では、選挙区を、都道府県単位からブロック制に改める案なども()(じょう)に載せた。格差を縮小しやすい利点があるからだ。

 旗振り役の西岡武夫前参院議長の死去で立ち消えになったが、検討し直すべきではないか。

 国会の対応はこれまで、常に後手に回ってきた。これでは、国会議員には当事者能力がない、ということになり、国民の政治不信を高めるだけである。

 最高裁は09年衆院選でも、「違憲状態」との判断を示している。両院ともに、法の下の平等を定めた憲法に違反した状態にあると司法が断じる異例の事態だ。

 参院選の制度は比例代表と選挙区の2本立てで、衆院選と類似している。衆参の役割分担も視野に入れた論議が不可欠である。

 与野党は、次回の選挙に間に合うよう、早急に臨時国会を開き、違憲状態から脱するための措置を講じなければならない。

2012年10月18日01時20分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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