HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52407 Content-Type: text/html ETag: "ad62b-187e-4cc1b8db452f6" Expires: Mon, 15 Oct 2012 22:21:07 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Mon, 15 Oct 2012 22:21:07 GMT Connection: close PC乗っ取り 官民連携で摘発体制の強化を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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PC乗っ取り 官民連携で摘発体制の強化を(10月16日付・読売社説)

 何者かが他人のパソコン(PC)を乗っ取り、遠隔操作で犯行予告を送信したとされる事件が相次いで発覚した。

 PCの持ち主が身に覚えのない罪を着せられかねない事態だ。新たなサイバー犯罪に、警察は捜査能力を向上させ、摘発に全力を挙げねばならない。

 大阪府警、三重県警、警視庁は、無差別殺人や爆破の犯行予告をPCで送信したとして威力業務妨害容疑などで逮捕した男性3人について、それぞれ釈放した。

 神奈川県警でも、小学校襲撃の予告を巡り、逮捕した大学生とは別の真犯人がいる可能性が浮上している。一連の事件では、「私が真犯人だ」とする内容のメールがTBSに届いたという。

 釈放された3人のPCは、外部から遠隔操作できるウイルスに感染し、3人の知らぬ間に、犯行予告がネット上の掲示板などに書き込まれた可能性が高い。

 警察は、ネット上の「住所」にあたるIPアドレスから3人のPCを特定した。だが、遠隔操作ウイルスの侵入を見抜けず、気付いたのは、3人の逮捕後だった。

 PCが遠隔操作されてしまうと、IPアドレスを割り出すだけでは犯人にたどり着けない。一連の事件は、従来のサイバー捜査の限界を示したと言える。

 犯行予告が、米国、ドイツなど海外の複数のサーバーを経由し、男性らのPCを使って書き込まれたことから、犯人の特定には困難が伴うだろう。だが、冤罪(えんざい)を招く恐れのあるハッキング行為を野放しにしておくことはできない。

 警察庁は、民間会社でサイバー攻撃などへの対策を研究してきた技術者を採用し、都道府県警に出向させている。専門スタッフのさらなる増強が必要だろう。

 民間との連携を強化し、サイバー防御の技術に優れた企業のノウハウを積極的に取り入れたい。官民をあげたサイバー犯罪への体制作りを急がねばならない。

 PCのユーザーも、自衛を心がけることが大切だ。男性らのPCのウイルスは、ネット上の掲示板に公開されていた無料ソフトから感染した。知らないうちにPCのカメラが起動し、部屋をのぞかれた外国の事例もある。

 不審なメールは開かない。怪しいサイトの閲覧は避け、不用意なダウンロードは控える。対策ソフトのこまめな更新も欠かせない。使用しない時には、PCの電源を切ることも有効とされる。

 基本対策を徹底し、自分のPCは自分で守ることが重要だ。

2012年10月16日01時29分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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