HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52300 Content-Type: text/html ETag: "ad7c4-1841-4cbdfd53f1698" Expires: Fri, 12 Oct 2012 21:21:55 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 12 Oct 2012 21:21:55 GMT Connection: close 受信料値下げ NHK改革を進める一歩に : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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受信料値下げ NHK改革を進める一歩に(10月13日付・読売社説)

 NHKが今月から受信料を引き下げた。これを契機にNHK改革をさらに進めるべきである。

 値下げは、現行の受信料体制になった1968年以来初めてだ。月額1345円の地上契約は、口座振替やクレジットカード支払いで120円、振り込みで70円安くなった。

 値下げ分は、受信料収入の7%に相当する。2012〜14年度の3年間で1000億円を超える減収となる見通しだ。

 制作費の流用など不祥事が相次ぎ、受信料の不払いが増えた。今回の値下げは、失墜した信頼の回復を狙ったのだろう。

 経営への影響は決して小さくない。NHKは支払率改善と経費削減で対応する考えだが、想定通り行くのか、疑問は残る。

 先月、初公表した都道府県別の受信料支払率は、平均が72・5%だった。最低の沖縄は42・0%で、最高だった秋田の94・6%とは大きな差がある。東京、大阪も6割前後と低い。値下げをテコに支払率向上に取り組むべきだ。

 視聴者の信頼を取り戻すうえで重要なのは、改革の継続だ。

 NHKは今年度から新経営計画をスタートさせたが、1万人を超す職員数は、3年間で280人程度の削減にとどまる。肥大化した組織にメスを入れ、もう一段のスリム化を目指すべきだろう。

 経費削減努力も甘い。値下げしてもNHKは、なお年6000億円超の財源を確保できる。巨額の受信料収入が、コスト意識の欠如を招く恐れはないか。

 テレビ離れが進む中、NHKに期待されているのは、迅速な報道や質の高い番組づくりだ。

 震災報道やドキュメンタリー番組などで、NHKは一定の評価を得ている。それに安住せず、公共放送にふさわしい役割を再認識することだ。民放と同じような番組ばかりでは困る。

 携帯端末の普及を受け、放送と通信の融合が今後の事業展開で大きなテーマとなる。例えば、放送をインターネットで同時送信するサービスだ。実現すれば、スマートフォン(高機能携帯電話)で、どこでも番組を視聴できる。

 ただし、受信料で運営されるNHKに適した事業かどうか、その可否は慎重に議論すべきだ。

 改革推進には、強固な統治体制が欠かせない。ゴタゴタ続きの経営委員長職に、全日本空輸出身の浜田健一郎氏が就任した。記者会見で「執行部とは車の両輪として緊張関係を保つ」と語った。しっかりしたかじ取りを望みたい。

2012年10月13日02時14分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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