HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52344 Content-Type: text/html ETag: "10022c-186a-4cbb6f2a306e9" Expires: Wed, 10 Oct 2012 20:21:45 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 10 Oct 2012 20:21:45 GMT Connection: close 尖閣国有1か月 長期化する対日圧力に備えよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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尖閣国有1か月 長期化する対日圧力に備えよ(10月11日付・読売社説)

 尖閣諸島の国有化から1か月経過した。中国の対日圧力は弱まる気配がない。政府は対立の長期化を前提に、体制を整えるべきである。

 中国は、東京で12日に開幕する国際通貨基金(IMF)・世界銀行総会への財務相と中国人民銀行総裁の出席を見送った。尖閣問題で日本への抗議の意思をアピールするのが狙いだろう。

 世界2位の経済大国が、グローバルな経済問題を協議する場を軽視するかのように振る舞う。国際社会の理解は得られまい。

 一時拡大した反日デモに続き、中国政府は日本製品の不買運動も容認した。トヨタ自動車など日系自動車メーカーの9月の販売台数は大幅に減った。日本企業のビジネスに悪影響が広がっている。

 観光客の訪日中止などで航空会社や観光業への打撃も大きい。

 中国による有形無形の圧力を受け、日本の経済界は、政府に事態の早期打開を求めている。玄葉外相も対中外交に関して、「譲れないものは譲れないが、何が可能か模索したい」と述べた。

 ただし、拙速は禁物だ。

 安易に妥協すれば、尖閣諸島に関する日本の主権そのものが危うくなりかねない。

 中国は長年、領土・海洋権益の拡大を国策としてきた。当面の目標は、日本が領有権問題を認め、領土を巡る交渉に応じることである。日本の譲歩を引き出すまで、執拗(しつよう)に、様々な圧力をかけてくるだろう。

 だが、中国が一方的な圧力外交を続けることで失う国際的な信用も大きいはずだ。

 政府は、赴任前に死去した西宮伸一中国大使の後任に木寺昌人官房副長官補を内定している。大使交代を契機に、日中双方の接点を慎重に探ってもらいたい。

 尖閣諸島近海で、中国は監視船による示威行動を続けている。

 ただ、緊張感をエスカレートさせる行為は控えている。米国が先月、西太平洋に二つの空母部隊を派遣したり、グアムでの米海兵隊と陸上自衛隊の上陸訓練を公開したりするなど、中国軍をけん制したことと無縁ではあるまい。

 日米同盟が中国の挑発を抑止していることは明らかである。

 海上保安庁は、全国の巡視船艇をやり繰りして尖閣周辺海域に派遣し、24時間態勢の警戒監視活動を余儀なくされている。

 こうした態勢を長期間堅持する必要がある以上、政府は、要員の確保などに万全の策を講じなければならない。

2012年10月11日01時27分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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