HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52243 Content-Type: text/html ETag: "a1a95-1870-4cb667a831b84" Expires: Sat, 06 Oct 2012 22:21:48 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 06 Oct 2012 22:21:48 GMT Connection: close 首都高速道路 東京再生につながる改修を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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首都高速道路 東京再生につながる改修を(10月7日付・読売社説)

 老朽化が進む首都高速道路の大規模改修をどう進めるか。首都圏の防災や再開発、流通網にも影響する重要な課題だ。

 国土交通省の有識者会議が、都心環状線の地下移設やルート変更などを柱とする提言をまとめた。単なる設備更新にとどまらず、首都高の抜本再生を求めた点は理解できる。

 国交省は東京都や首都高会社と具体策の検討に入ってほしい。

 1都3県にまたがる首都高は、日本経済を支える大動脈だ。しかし、最初の区間が開通してから今年で50年を迎え、総延長300キロのうち3割は完成後40年以上が経過した。補修が必要な損傷箇所は10万近く、7年間で3倍に増えた。応急処置も限界だ。

 東京五輪に間に合わせるため、用地買収が不要な道路や水路の上の空間を利用した結果、全体の95%が高架橋やトンネルという世界でも特異な道路となっている。

 有識者会議が都心環状線を問題視したのは、建物の間を縫う急カーブや無理な合流地点が多く、事故や渋滞が多発しているからだ。首都直下型地震に備えるため、耐震強化は急務だろう。

 東京の景観を損ね、周囲に圧迫感を与えている高架橋を撤去し、地下化を進める案は選択肢になりうるのではないか。

 だが、最大の問題は、4兆円を超えるともされる巨額の建設費をどう確保するかである。

 厳しい財政事情を考えれば、有識者会議が「税金に極力頼らず、料金収入を中心に対応すべきだ」と指摘したのは当然と言える。

 ただし、通行料金の大幅な値上げは、利用者の反発を招きかねない。高架の撤去後に空いた一等地の売却などで、できるだけ民間資金を活用する工夫が要る。

 都心環状線に流入する車の6割は通過するだけで、それが慢性的な渋滞の原因となっている現状も併せて改善したい。

 首都圏の迂回(うかい)ルートとして、都心環状線の外側に同心円状に位置する中央環状線や、東京外郭環状道路の整備が進めば、都心環状線は不要だとする意見もある。

 世界では近年、ソウル、シアトル、デュッセルドルフ、パリなど都心部の高速道路改修を都市再生につなげた事例が多い。大いに参考にしてもらいたい。

 首都高に限らず、全国各地で高度成長期に国や自治体が整備した道路や橋、上下水道などが軒並み耐用年数を迎えている。首都高改修への取り組みは、老朽インフラ再生のモデルになるはずだ。

2012年10月7日01時27分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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