HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 03 Oct 2012 00:21:04 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:オスプレイ 沖縄に配備する暴挙:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

オスプレイ 沖縄に配備する暴挙

 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの沖縄配備が始まった。過重な米軍基地負担に苦しむ多くの県民が強く反対する中での配備強行だ。県民の思いを踏みにじる暴挙には怒りを覚える。

 野田佳彦首相はオスプレイ配備が提起する数々の問題の重要性を理解していないのではないか。

 山口県の岩国基地に駐機していたオスプレイ十二機のうち九機が沖縄県宜野湾市の普天間飛行場に移動した。残る三機も近く配備されるという。

 量産・配備後も事故が続き、安全性が確立されたとは言い難い軍用機だ。それをよりによって、市街地に囲まれ、米国防長官も「世界一危険」だと認めて日米両政府が返還に合意した普天間飛行場に配備するとは、どういう考えか。

 普天間飛行場の主要三ゲート前では、抗議のため車両でゲートを封鎖した住民と、排除しようとする警察官との間で激しいもみ合いが起きた。沖縄県民の怒りを、日米両政府は軽んじてはならない。

 首相は、日本政府独自の調査を経て「安全性は十分確認できた」と宣言した。米軍側から通り一遍の聞き取り調査をしただけで安全が確認できるのだろうか。

 さらに留意すべきは、たとえオスプレイが安全だとしても、普天間に配備すべきではないことだ。

 沖縄には在日米軍基地の74%が集中し、県民は重い基地負担に苦しむ。普天間は一刻も早く日本側に返還されるべきものであり、負担軽減につながらない新型軍用機の配備が許されるはずがない。

 それとも普天間に新たな負担を押し付けて、沖縄県側に名護市辺野古への移設を認めさせようともくろんでいるのだろうか。とても許される政治手法ではない。

 海兵隊は機動的に展開する部隊である。アフガニスタンやイラクに配備され、沖縄を空けることも多かった。沖縄駐留が抑止力となっているかどうか疑わしい。

 オスプレイは長い航続距離が売り物だ。例えば米領グアムなどに「後方」配備しても、海兵隊の機能は損なわれないのではないか。

 基地提供は日米安全保障条約に基づく日本側の義務だが、一地域に過重な負担を強いることは、安保体制の円滑な運営にいずれ深刻な支障をもたらすだろう。

 オスプレイは本土でも低空飛行訓練を予定している。沖縄県民だけの問題ではない。日本国民全体が傍観せず、自らの問題として考えるべきである。

 

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