
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 53652 Content-Type: text/html ETag: "ad739-1f65-4cab1374c7c5b" Expires: Thu, 27 Sep 2012 23:23:11 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 27 Sep 2012 23:23:11 GMT Connection: close
![]() 日中国交40年 「互恵」再構築へ長期戦略を(9月28日付・読売社説)◆外交力の発揮で事態悪化防げ◆ 日中両国が国交を樹立した時、これほどまで関係が険悪になると誰が予想しただろうか。 訪中した田中角栄首相が周恩来首相と共同声明に調印してから、29日で40年になる。節目の年なのに、記念行事が次々打ち切られている。 中国では日本製品の不買運動も広がっている。かつてない深刻な事態だ。尖閣諸島国有化への中国の反発は収束する気配がない。 しかし、世界第2、3位の経済大国の不正常な関係は周辺地域や世界経済にも悪影響を与える。日本は今後、中国とどう向き合っていくか。関係の正常化へ長期的な戦略が欠かせない。 ◆「政冷経冷」の対日意識◆ 中国各地で起きた反日デモの中で、パナソニックの工場が暴徒に襲われた事件ほど、日中の寒々しい現状を象徴するものはない。 パナソニックは中国進出の先駆的企業である。1978年、来日したトウ小平副首相が創業者の松下幸之助氏と会い、中国発展のために技術、経営面での支援を求めたことがきっかけとなった。 その後、多くの企業が中国で事業を拡大し、雇用も生んできた。日本は2007年度まで円借款を供与し続けた。 それが中国の経済基盤を強化し、国内総生産(GDP)が日本を上回るほどに成長する一助となったことは間違いない。 だが、日本の協力姿勢は中国国内でほとんど認識されていない。それどころか、90年代に反日の愛国教育が強まり、経済発展に伴って日本軽視の風潮が広がった。 中国では、対日関係は政治も経済も低調な「政冷経冷」で構わないとの意識が強まっている。 しかし、日中両国は経済的に不即不離の関係にある。日本から輸入した部品を中国で最終製品に組み立て、中国国内で販売したり、欧米などに輸出したりする国際分業体制が築かれている。そのことを忘れてはなるまい。 ◆尖閣で必要な海保強化◆ 尖閣諸島問題の根源は、周辺海域に石油があることを知った中国が70年代、根拠もない領有権を一方的に主張したことにある。 トウ小平氏は78年、日中平和友好条約発効の際の記者会見で、尖閣問題について「一時棚上げにしても構わない」と語り、解決を次世代に委ねる意向を表明した。 だが、中国は、92年には尖閣領有を明記した領海法を制定し、近年は、監視船を尖閣諸島近海に再三派遣するなど事あるごとに日本との摩擦を引き起こしてきた。 尖閣諸島の国有化は、所有権が民間人から政府に移転するだけのことである。ロシア・ウラジオストクで野田首相と胡錦濤国家主席が会った直後に、国有化したことが中国を刺激した面はあるが、中国の反発は予想を超えていた。 日中外相会談で中国側が国有化を「反ファシズム戦争勝利の成果を否定するものだ」と指摘し、無関係な歴史問題と絡めたのは、あまりに ありもしない日本の「非」を世界に言い募る中国の「世論戦」に日本は手をこまねいてはいられない。野田首相が国連演説で、中国を念頭に「一方的な力や威嚇を用いる試みは受け入れられない」と主張したのは、当然である。 中国初の空母も就役した。軍拡路線は、近く発足する新指導部へ引き継がれ、より強力に進められよう。 尖閣諸島で実効支配をいったん失ってしまえば、取り戻すのは非常に困難となる。主権を侵害する行為を排除できるよう海上保安庁の体制強化に国を挙げて取り組むことが最優先である。 無論、軍事的対立は何としても避けなければならない。米海兵隊が新型輸送機オスプレイを沖縄に配備することも、対中抑止力を強める意味で重要である。 ◆経済・環境で共栄を◆ 安倍内閣以降、日中両国はウィンウィン(共存共栄)を意味する「戦略的互恵関係」を基軸に東シナ海のガス田共同開発協議などを進めた。だが、10年の尖閣諸島沖の漁船衝突事件後、暗礁に乗り上げている。 互恵関係を立て直すには周到な準備が欠かせない。日中双方が産業・観光振興、農業の生産性向上の分野だけではなく、省エネや環境対策などの分野でも協力し合えることを、様々なパイプを駆使して、中国に伝えるべきだ。 米国との緊密な連携も日中関係の改善を図るには不可欠だ。同時に東南アジア諸国連合(ASEAN)、インド、ロシアなど、周辺国との関係を強化し、戦略的に対中外交を展開する必要がある。 (2012年9月28日01時12分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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