
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 53410 Content-Type: text/html ETag: "2f5016-1ecb-4ca9d57999f66" Expires: Thu, 27 Sep 2012 02:21:45 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 27 Sep 2012 02:21:45 GMT Connection: close
![]() 安倍自民新総裁 政権奪還への政策力を高めよ(9月27日付・読売社説)◆保守志向が再登板の追い風に◆ 政権奪還という重い課題を担っての「再チャレンジ」である。 自民党総裁選は、安倍晋三元首相が、石破茂前政調会長ら4氏を破り、新総裁に選出された。 第1回投票では、石破氏が地方票の過半数を獲得して1位となったが、国会議員による決選投票で安倍氏が逆転した。 安倍氏は、次期衆院選の結果次第では首相に就任する可能性が大きい。当選後のあいさつでは「政権奪還に向けて全力を尽くす。強い日本をつくる」と、決意を表明した。今から日本再生への戦略と政策を練る必要がある。 ◆「尖閣」で地方票に変化◆ 派閥の代表ではない安倍、石破両氏が決選投票を争ったことは、派閥の合従連衡による総裁選からの変化をうかがわせる。 当初は石原伸晃幹事長が有力視されたが、安倍、石破両氏が地方の党員に支持を広げた。これは総裁選のさなか、中国が尖閣諸島を巡って日本に高圧的な外交を展開したことと無縁ではない。 両氏とも総裁選では、日本の領土・領海を「断固として守る」と訴え、外交・安全保障政策の重要性を強調した。 しかし、中国に強硬一辺倒の姿勢では関係改善は望めない。 安倍氏は首相時代に、小泉内閣で悪化した対中関係を立て直し、中国と「戦略的互恵関係」を目指すことで合意した。尖閣諸島国有化で中国の反日機運が高まる中、日中関係を再構築する具体策が改めて求められている。 安倍氏は、集団的自衛権の行使を可能にすることによる日米同盟の強化や、憲法改正に取り組む考えを示している。いわゆる従軍慰安婦問題に関する「河野談話」の見直しにも前向きだ。 いずれも妥当な考え方である。実現に向けて、具体的な道筋を示してもらいたい。 総裁選で残念だったのは、日本の直面する課題について、踏み込んだ議論が乏しかったことだ。 ◆TPP・原発政策示せ◆ 環太平洋経済連携協定(TPP)参加問題で、安倍氏は「交渉力を強めた上で、国益を守れるかどうか考えないといけない」と慎重な発言に終始した。 党内に根強いTPP参加反対論に配慮したのだろうが、政権奪還を目指すなら、農業の競争力強化策をまとめ、交渉参加への環境を整えなければならない。 エネルギー問題でも、政府・民主党の「原発ゼロ」方針に否定的な見解を示したのは適切だったにせよ、それだけでは不十分だ。 安全な原発は活用し、電力を安定供給できるエネルギー政策について党内で議論を深め、責任ある対案を打ち出すべきである。 安倍氏は6年前、戦後生まれで初の首相となった。「戦後レジーム(体制)からの脱却」を掲げ、教育基本法を改正し、防衛庁を省に格上げした。憲法改正手続きを定めた国民投票法も成立させるなど実績を上げている。 しかし、2007年7月の参院選に惨敗し、衆参ねじれ国会を生んだ。その後の突然の辞任は、潰瘍性大腸炎という持病が一因とされるが、政権を無責任に投げ出した印象が強く残っている。 安倍氏には、「健康不安」やひ弱なイメージを払拭できるかどうかが、問われよう。 新総裁として最初に取り組むのは党役員人事である。 安倍氏は、総裁就任後の記者会見で、石破氏が党員票の過半数を獲得したことについて「重く受け止めなければならない」と述べた。石破氏には地方に圧倒的な支持のあることが裏付けられた。要職に起用するのは理解できる。 安倍氏は首相時代に内閣の要職を盟友や側近で固め、批判を浴びた。今回、党役員にどういう人材を登用するかも注目したい。 ◆解散で「紳士協定」を◆ 重要なのは、次期臨時国会での対応である。 先の通常国会は、参院で野田首相の問責決議を可決したまま閉会した。これまで自民党は問責の効力が次の国会にも及ぶとしてきたが、安倍氏は記者会見で、一切審議を拒否するわけではないと柔軟な姿勢を示した。 赤字国債発行のための特例公債法案の成立などに協力する代わりに、野田首相が約束した「近いうち」の衆院解散を「紳士協定」として確認したい考えのようだ。建設的な提案だと評価できる。 安倍氏自身、首相時代にねじれ国会に悩まされた。参院の問責決議を理由にした審議拒否など不毛な与野党対立や政治の停滞には、もう終止符を打つ時である。 (2012年9月27日01時30分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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