HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51602 Content-Type: text/html ETag: "4e426-186a-4ca891e1ae73d" Expires: Wed, 26 Sep 2012 01:22:32 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 26 Sep 2012 01:22:32 GMT Connection: close 中台の領海侵入 示威行動に動ぜず冷静対処を : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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中台の領海侵入 示威行動に動ぜず冷静対処を(9月26日付・読売社説)

 尖閣諸島を巡って中国と台湾が対日圧力を高めている。政府は、これに動じることなく、冷静な外交によって事態の沈静化を急ぐべきである。

 中国が尖閣諸島近くに10隻前後の監視船を送り込んでから1週間が経過した。監視活動を常態化させ、日本の領海への侵入を繰り返している。

 25日には、台湾の漁船約40隻と巡視船12隻が領海に入った。海上保安庁の巡視船による漁船への放水などで、台湾側は退去した。

 尖閣諸島に関しては、台湾、中国が1970年代に相次いで領有権を主張し始めた。その中台が領海に侵入するような事態を放置すれば、日本の実効支配体制が揺らぐことになりかねない。

 政府は警戒と対策が必要だ。海洋秩序を維持するため、海保の巡視船などによる監視体制を最大限強化しなければならない。

 改正外国船舶航行法の施行によって、海保は領海内を動き回る外国漁船に対し、立ち入り検査なしに退去を命令できるようになった。より迅速かつ効果的に違法行為を排除し、主権を守る姿勢を示すことが重要である。

 日本が尖閣諸島を国有化して以降、度を越した中国の反発が続いている。

 日本との経済や文化、スポーツ交流は続々と停止された。27日に予定されていた国交正常化40周年記念式典は中止され、日本の経済団体の訪中も取りやめとなった。異常な事態である。

 こうした一方的な措置は、中国自身の国際的評価を(おとし)めよう。日中関係のこれ以上の悪化は両国に拭いがたい傷を残し、修復を一層困難とするだけだ。

 日本が尖閣諸島を実効支配してきた事実は、中国の報道規制で国民にきちんと伝わっていない。中国国民は「国有化」の意味を理解していないのではないか。

 中国は外交攻勢も強めている。自らの尖閣諸島領有の主張を正当化する「白書」を発表した。世界にアピールするのが狙いだ。

 日本も、尖閣問題の経緯と日本側の冷静な対応を各国にきちんと理解してもらう必要がある。

 河相周夫外務次官が北京で中国外務省の張志軍筆頭次官と会談した。中国側は日本に対し、「幻想を捨てて深く反省し、行動で誤りを正す」よう求めたという。

 相変わらずの高圧的な態度だ。ただ、両国が協議の継続で一致したことは評価できる。外相や首脳同士の対話も重ね、事態打開の道筋を模索すべきである。

2012年9月26日01時22分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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