HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 39678 Content-Type: text/html ETag: "66a80d-23ed-8f150300" Cache-Control: max-age=2 Expires: Mon, 24 Sep 2012 02:21:12 GMT Date: Mon, 24 Sep 2012 02:21:10 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語
現在位置:
  1. 朝日新聞デジタル
  2. 天声人語

天声人語

天声人語のバックナンバー

 大学入試問題に非常に多くつかわれる朝日新聞の天声人語。読んだり書きうつしたりすることで、国語や小論文に必要な論理性を身につけることが出来ます。会員登録すると、過去50日間分の天声人語のほか、朝刊で声やオピニオンも読むことができます。

天声人語の一文目
箭内道彦さんセレクトの天声人語はこちら
天声人語をまとめ読み
3カ月分まとめて読める!WEBマガジン「朝日新聞 天声人語・社説」

2012年9月24日(月)付

印刷用画面を開く

 「大鵬があったのは、柏戸がいたからこそなんだ」。盟友を悼む納谷幸喜(なやこうき)さん(元大鵬)の言葉である。柏鵬時代ならずとも、拮抗(きっこう)する横綱が東西にでんと座らないと大相撲は締まらない▼これで番付が落ち着こう。日馬富士が2場所続けて全勝優勝し、5年ぶりに新横綱が生まれる。結びの一番、朝青龍が去った角界を背負う白鵬を、しかと組み止め、渾身(こんしん)の投げで転がした。心がけている「お客さんが喜ぶ激しい相撲」だった▼68、69、70代と最高位を占めるモンゴル勢。朝青龍が剛なら、白鵬は柔、反射神経に秀でた日馬富士には鋭の字が合う。剛柔を自在に行き来するスピードと、技のキレが身上だろう▼立ち合いは低く、鋭く、コオロギのごとく突きかかる。動きは時に軽業師を思わせ、押し込まれても土俵際で捨て身の大技が出る。向こう気が強く、受けてさばく横綱相撲ではないけれど、すでに28歳、魅力的な取り口を、地位ゆえに改めることはない▼横綱は、大負けが許されぬ重圧の下で心身を削る職である。戦後は平均26歳で昇進し、31歳で引退している。50場所以上の在位は北の湖、千代の富士、大鵬、40場所でも貴乃花、曙、柏戸、輪島、朝青龍が加わるのみだ▼「名を汚さないよう、いい生き方をしたい」。4年前、大関になった日馬富士の言に小欄は大器を予感した。やや晩成となったが、名だたる先達を変に意識することなく、変わらぬ野性味で暴れ続けてほしい。「楽しませる横綱」という生き方もある。

PR情報

朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介