HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52894 Content-Type: text/html ETag: "33de4-185b-4ca4ca4fcfa21" Expires: Sun, 23 Sep 2012 02:22:00 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sun, 23 Sep 2012 02:22:00 GMT Connection: close 中国威圧外交 リスク増大で日本の投資減も : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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中国威圧外交 リスク増大で日本の投資減も(9月23日付・読売社説)

 日本の尖閣諸島国有化に反発する中国各地の反日デモは、ほぼ沈静化した。

 だが、中国の威圧外交が強まっていることは問題である。

 中国当局は、満州事変の発端となった柳条湖事件から81年となる18日を最後に、北京でのデモを禁止した。

 一部が暴徒化したデモを容認し続けると、社会の安定が揺らぐと警戒したようだ。

 懸念すべきは、胡錦濤国家主席ら首脳の強硬発言が相次いでいることだ。温家宝首相は、欧州連合(EU)との首脳会談が開かれたブリュッセルで、尖閣諸島国有化に言及し、「有力な措置を講じなければならない」と述べた。

 近く開かれる共産党大会で胡氏のポストを引き継ぐ習近平国家副主席も、「日本の一部勢力は過ちを繰り返し、島購入という茶番を演じた」と発言した。

 日本には絶対に譲歩しない、という決意を示したのだろう。

 しかし、中国での事業リスクを日本企業に痛感させたことは、中国側にもマイナスではないか。

 反日デモで襲撃された企業の一部の工場再開は遅れている。中国側が損害賠償する姿勢は見えず、日本の損保業界は被害企業への保険金が約100億円にも上ると試算した。いずれ各社の保険料も値上がりしかねない。

 広東省などの日系工場で、賃上げを要求するストライキが頻発していることも憂慮される。

 経済界で「対中投資は慎重にならざるを得ない」と警戒する声が続出しているのは当然である。

 日本企業は中国を「世界の工場」と重視し、投資を増やしてきた。昨年の投資額は前年比50%増の63億ドルに達し、26%減の30億ドルにとどまった米国と対照的だ。

 こうした積極的な投資が、中国の雇用と景気を支えている。日系企業による中国での雇用者は数百万人に達するとも推計される。

 過激な反日デモは、長年培ってきた日本との協調関係も踏みにじったことになる。

 日本企業の対中投資には急ブレーキがかかり、代わって、ベトナムやタイなどアジア他国への投資が増える可能性が大きい。

 中国経済は輸出減などで景気減速が止まらず、今年の実質経済成長率は8%を割りそうだ。日本企業の投資戦略によっては、一段の景気の下押し圧力となり、雇用にも悪影響を与えるに違いない。

 中国政府は、対日強硬姿勢を改めないと、自国にも不利になって跳ね返る恐れがあることを自覚すべきだろう。

2012年9月23日01時13分  読売新聞)

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東京本社発行の最終版から掲載しています。

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