HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 22 Sep 2012 21:22:37 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: 自分の声の録音を聴くというのは、妙なものだ。何か違和感を…:社説・コラム(TOKYO Web)
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【コラム】

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 自分の声の録音を聴くというのは、妙なものだ。何か違和感を覚える。自己嫌悪に陥ることすらある。そういう人が多いのではないか▼ユーモアあふれる研究に贈られるイグ・ノーベル賞に、六年連続で日本人が輝いた。二人の若い研究者が開発したのはスピーチ・ジャマー。他人の迷惑を省みず、演説やおしゃべりを続ける人を撃退する装置だ▼原理は単純。演説を、〇・二秒ほど遅れでしゃべっている本人に聴かせるだけだ。脳は、自分の声を確認しながら発話の指示を出しているから、声が微妙に遅れて届くと混乱し、うまく話せなくなる。この「聴覚遅延フィードバック」というよく知られた現象を応用した発明品だ▼居眠りしている議員ばかり目立った民主党臨時党大会を見ていて、スピーチ・ジャマーを試したくなった。代表に再選された野田佳彦首相は「原発ゼロ社会を三〇年代に目指す、実現をする、ぶれない姿勢で」と強い口調で言い切った▼だが、原発ゼロとは相反する核燃料サイクル政策も、建設中の原発の工事も、継続するというのが、野田政権の方針だ。よくよく、自分の言っていることに、矛盾を感じない人たちらしい▼こんな政界にこそ、スピーチ・ジャマーを導入してほしいが、この新兵器には弱点がある。当たり前のことだが、耳栓をしている人、聞く耳持たぬ人には、何の効果もない。

 

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