HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 52561 Content-Type: text/html ETag: "1430d2-37ca-9f7e7500" Cache-Control: max-age=5 Expires: Sun, 23 Sep 2012 00:21:06 GMT Date: Sun, 23 Sep 2012 00:21:01 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:社説
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2012年9月23日(日)付

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政治家と選挙―いいのか政党乗り換え

政党とはなんだろう。そう考えさせられるようなことが、また起きている。民主、自民の2大政党の党首選のさなか、両党の比例区選出の衆院議員2人がそれぞれ離党し、新党「日本維新[記事全文]

住宅政策―「中古重視」に本腰を

住宅の購入は「人生最大の買い物」と言われる。2014年4月からの消費増税が決まり、それまでに決めようと検討し始めた人も多いだろう。ただ、経済の低迷で多額の住宅ローンを抱[記事全文]

政治家と選挙―いいのか政党乗り換え

 政党とはなんだろう。そう考えさせられるようなことが、また起きている。

 民主、自民の2大政党の党首選のさなか、両党の比例区選出の衆院議員2人がそれぞれ離党し、新党「日本維新の会」に合流する意向を示した。

 これで、維新の会に参加する見通しの国会議員は民主、自民、みんなの3党の9人になった。このうち、6人が衆院と参院の比例区選出だ。

 参院比例区では候補者名の投票もできるが、基本的に政党への投票だ。そこで当選した国会議員が、ほかの党に移ることが許されるのか。

 そう思う人も多いだろう。この疑問には、維新の会を率いる橋下徹大阪市長が、ネット上でこう答えている。

 「日本維新の会は新党なので、政党間移動にはあたりません。比例議員が新党をつくるのは許されています」

 その通りである。00年の国会法改正で、比例区選出の議員が別の党に移ることが禁じられた。一方、その議員が当選した選挙の時にはなかった新党への移動は許されている。

 ただ、いくらルール違反ではないといっても、みずから一票を入れた政党を踏みにじるような国会議員のふるまいに、釈然としない有権者も多いのではないか。

 新たに維新に合流するという民主党議員は、野田首相の社会保障と税の一体改革の進め方を「評価できない」と語る。

 維新の会が掲げる「八策」には共感できる、23日に予定されている維新の会の公開討論会で意見をぶつけてみたいという。

 だが、どう言葉を連ねても、結局は近づく選挙を前に、人気の高い維新の会という看板に飛びつこうとしている。そう見られてもしかたあるまい。

 それは、選挙区選出の議員にしても、同じことだ。

 維新の会に対し、既成政党からは「選挙互助会だ」という批判が出ている。

 もっとも、民主党をふくめ離合集散を繰り返してきた日本の政党史を振り返ると、多くの新党にそうした側面があったことは否めない。

 党員を集め、綱領や政策を練り、政治家を育てていく。政党がこうした地道な努力を怠ってきたから、議員は党首に「選挙の顔」の役割ばかりを求めたがる。所属する政党が劣勢と見るや、さっさと新しい政党に乗り換えていく。

 こんなことでは、政党はますます弱り、政治が細っていくばかりだ。

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住宅政策―「中古重視」に本腰を

 住宅の購入は「人生最大の買い物」と言われる。2014年4月からの消費増税が決まり、それまでに決めようと検討し始めた人も多いだろう。

 ただ、経済の低迷で多額の住宅ローンを抱えるのは不安だ。となれば、価格が手ごろな中古住宅への関心も高まる。

 「新築から中古へ」という課題に本格的に取り組む好機ではないか。中古住宅に関する情報を充実させ、税制でも中古に重点を置いた優遇措置で後押ししてはどうだろう。

 わが国の住宅政策は長年、新築の促進が中心で、景気対策の柱にも位置づけられてきた。「造っては壊し」を繰り返してきた結果、住宅の寿命は30年弱と英米の半分にも満たず、計画的な街づくりを妨げている。

 人口が減り始め、深刻になってきたのが空き家問題だ。国土交通省によると、住宅の総戸数は5700万戸を超え、世帯総数を700万余も上回る。

 核家族化や単身世帯の増加で伸び続けてきた世帯数も近く減少に転じる見通しで、「家余り」に拍車がかかる。放置された空き家が景観や治安、防災を損ねる問題は、都市部を中心に待ったなしの課題だ。

 国交省は今春、「中古住宅・リフォームトータルプラン」をまとめた。「新築中心からリフォームによるストック(資産)の活用へ」と、政策の転換をはっきり打ち出している。

 中古住宅への消費者の不安をどう和らげるか。それが最大の課題だ。「欠陥があるのでは」「相場より高くないか」という声は、新築より強い。

 住宅ごとに設計・施工記録を残す仕組みや性能表示、売買価格情報の提供、売買やリフォームに伴う保険など、中古住宅に関する制度はひと通りそろってはいる。

 ただ、登録物件数をはじめ情報が乏しく、制度自体が知られていない。国交省のプランも改善の必要性を強調するが、どこをどうテコ入れするべきか、具体的に詰めてほしい。

 税制上の工夫の余地は大きい。住宅ローン残高の一定割合を減税する制度で、新築より中古を優遇してはどうか。耐震やバリアフリー、省エネのリフォームを促す税制を手厚くすれば、優良な中古物件も増える。

 65歳以上の夫婦や一人暮らし世帯の持ち家の6割近くが100平方メートル以上あるなど、「住宅のミスマッチ」は手つかずのままだ。既存の住宅を手直しし、世代ごとにふさわしい住宅を引き継いでいく。それが成熟社会の賢い暮らし方だろう。

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