HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 52729 Content-Type: text/html ETag: "1116c-182d-4ca24ca1a2899" Expires: Fri, 21 Sep 2012 20:21:08 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 21 Sep 2012 20:21:08 GMT Connection: close 原子力規制委 安全確認の基準作りを急げ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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原子力規制委 安全確認の基準作りを急げ(9月21日付・読売社説)

 東京電力福島第一原子力発電所の事故で失われた原子力安全行政への信頼回復が急務だ。

 19日に発足した原子力規制委員会と、事務局の原子力規制庁の責務は重い。

 複数省庁に分散していた規制部門を統合し、原発を推進する経済産業省などから分離させた。国家行政組織法第3条に基づく組織で、政治からの独立性も高い。

 まず求められるのは、個々の原発が十分に安全かどうか、技術的な知見に基づき、客観的かつ厳正に判断することである。

 田中俊一委員長と4人の委員で構成する規制委は、安全確認の判断基準作りや、検査体制の整備を早急に進めねばならない。

 国内の原発は、7月に再稼働した関西電力大飯原発3、4号機を除く48基が停止している。

 政府が設けた再稼働の暫定基準が原因だ。原発事故の教訓に基づき、政府は非常電源の強化など緊急安全対策を各原発に求めた。

 それに加え、「脱原発」派の菅前首相が持ち込んだ法的根拠のないストレステスト(耐性検査)まで実施させていた。

 30基の原発からテスト結果が提出されたものの、大半の審査は手付かずで、妥当性が判断されないまま規制委に引き継がれた。

 こうした中途半端な状況を解消する必要がある。

 田中委員長は記者会見で、「ストレステストは政治的なもの。それにとらわれない」と述べた。欧米でもストレステストは再稼働の条件になっていないことを考えれば、妥当な見解だろう。

 再稼働に向けて、防災体制を整え、これまでの安全対策に漏れがないか検証する姿勢を示したことも理解できる。

 問題は、基準作りと安全判断にいつまで時間をかけるかだ。

 北海道電力は、原発再稼働なしには冬の需給が厳しいと危機感を示すが、田中委員長は「年内は難しいのではないか」「電力需給は考慮しない」と述べている。

 無論、安全対策で見切り発車は許されない。だが、浅はかな「脱原発」の声に過度に配慮して判断を先送りし、停電により産業や市民生活に悪影響を与えれば、規制委の存在意義が問われよう。

 規制委は、福島第一原発の廃炉までの安全確保策や、原発の「原則40年廃炉」の検討など多くの課題を抱えている。

 規制委人事が国会同意を得ていないことに批判はあるが、着実に職責を果たし、実績を上げることが何より大切だ。

2012年9月21日01時40分  読売新聞)

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東京本社発行の最終版から掲載しています。

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