HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51144 Content-Type: text/html ETag: "abdb5-1783-4c7515e176539" Expires: Wed, 15 Aug 2012 21:21:11 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Wed, 15 Aug 2012 21:21:11 GMT Connection: close 韓国大統領発言 日韓関係の停滞化を懸念する : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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韓国大統領発言 日韓関係の停滞化を懸念する(8月16日付・読売社説)

 どんなに「未来志向」を強調しようとも、結局、歴史認識問題や領土問題で、対日外交が暗礁に乗り上げる。

 韓国の歴代政権が繰り返したパターンから、李明博大統領も逃れることはできなかったということだろう。

 先週の竹島訪問に次いで、今度は、「独立運動家への心からの謝罪」が天皇陛下の訪韓の条件だとする李大統領の発言である。

 友邦の国家元首らしからぬ言動と言わざるを得ない。

 大統領の竹島上陸で冷え込んだ日韓関係が一段と悪化し、それが長期化することも懸念される。

 あと半年しか任期が残っていない大統領が、日韓関係の将来に禍根を残すような言動をとるのは、無責任に過ぎよう。

 1965年の日韓国交正常化以降、韓国の大統領は、84年の全斗煥氏を最初に、歴代、日本を訪れ、天皇陛下と会っている。90年には天皇訪韓を公式に招請した。

 李大統領自身、2008年の来日時に訪韓を招請した。日韓併合から100年にあたる10年の訪韓実現へ意欲を見せてもいた。

 李大統領は、教員らとの会合で、「『痛惜の念』という言葉だけなら(天皇訪韓の)必要はない」とまで述べたという。22年前、当時の盧泰愚大統領が来日した時の、宮中晩さん会における陛下のお言葉を指したものだ。

 招いた方が、後になって条件をつけ、それが満たされないなら来る必要はない、というのはあまりにも礼を失している。

 野田首相は「理解に苦しむ発言で、遺憾だ」と述べ、藤村官房長官も「韓国側が非建設的な発言をすることは韓国自身のためにもならない」と指摘した。日本政府が韓国に抗議したのは当然だ。

 天皇訪韓は、両国民によって自然に受け止められるような形で実現することが望ましい。

 それなら、天皇訪韓問題は、当面、棚上げにするしかない。

 李大統領は15日には、日本の植民地支配からの解放を記念する式典で演説し、いわゆる従軍慰安婦問題で「責任ある措置」をとるよう、改めて日本に求めた。

 韓国の世論を背景に、大統領が被害者への謝罪や補償などを野田首相に促してきた経緯があるが、請求権問題についていえば、国交正常化の際に、すでに完全かつ最終的に解決ずみだ。

 領土問題にせよ、慰安婦問題にせよ、日韓両国は、正確な事実関係を踏まえた冷静な歴史論議をしなければならない。

2012年8月16日02時35分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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