HTTP/1.1 200 OK Date: Sat, 11 Aug 2012 23:22:00 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: ソ連が参戦しなかったなら、米軍が日本本土に上陸する予定だ…:社説・コラム(TOKYO Web)
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 ソ連が参戦しなかったなら、米軍が日本本土に上陸する予定だった一九四五年十一月までに日本は降伏したか? ポツダム宣言受諾前後の日本と米国、ソ連の動きを重層的に分析した長谷川毅さんの『暗闘−スターリン、トルーマンと日本降伏』は、膨大な資料を駆使し、歴史の「もし」に挑んだ力作だ▼歴史学者は、和平仲介を依頼していたソ連が突然参戦した影響を重視。「その莫大(ばくだい)な破壊力にもかかわらず、原爆は日本の外交に根本的な変化をもたらすことがなかった。ソ連参戦こそがこの変化をもたらした」と結論付けた▼四年後に踏みにじられる日ソ中立条約が締結されたのは日米開戦の八カ月前。日独伊三国同盟締結に続き、条約調印を主導したのは松岡洋右外相だった▼その外交政策を厳しく批判していた政治家がいた。政界を一時、引退していた幣原(しではら)喜重郎元首相は「国際問題に素養も理解もなき民間の喝采を博せんとする外交ほど国家の前途に取って重大なる憂患はない」と憂えた▼韓国の李明博大統領が竹島を電撃訪問した。内政の行き詰まりから、求心力を回復したい狙いも見える。歴代の大統領が自重した一線を越えたことで、日韓関係の悪化は避けられない▼領土問題はナショナリズムをたやすく発火させる。国を問わず、すべての政治指導者が歴史の教訓として学ぶべきは、幣原の卓見である。

 

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