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大学入試問題に非常に多くつかわれる朝日新聞の天声人語。読んだり書きうつしたりすることで、国語や小論文に必要な論理性を身につけることが出来ます。会員登録すると、過去50日間分の天声人語のほか、朝刊で声やオピニオンも読むことができます。
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立秋すぎて暑いのはいつものことだから我慢しよう。五輪や甲子園が熱いのも当たり前。どうにもならないのが永田町の不快指数である。消費増税案の採決をめぐる駆け引きが、またぞろ政争に転じた▼総選挙を待ちきれない自民党は、野田首相に早期解散の確約を迫る。さもないと増税の合意はご破算だと。党首会談の結果、増税法案の成立と「近いうち」の解散で合意したが、その時期はどうにでも解釈できる。選挙が怖い民主党内では「野田おろし」の気配もあるらしい▼消費増税は世論を二分する苦い政策だ。だが、これほどの財政赤字を放置すれば国家の信用が揺らぐ。決められない政治に、市場は「日本売り」の準備を始めよう。金利は上がり、住宅ローンや景気に響きかねない▼そもそも、借金を子や孫に回す生き方を省みる時である。自省の末とみえた3党合意が、ひと皮むけば政局とは呆(あき)れる。一に当選、二に入閣、三四がなくて五にゴルフ、そんな「旧型」議員が多すぎないか▼来(きた)るべき政界再編では、複数の「政策党」と一つの「政局党」に分かれてほしいものだ。政争が好きな政局党はそのうち消えてなくなる。政界に未練のある議員は、縁のある政策党に選挙対策の「軍師」として雇われたらいい▼〈政治家の顔みたくなき暑さかな〉三上触男(ふれお)。さすがに脂ぎった面相は減ったけれど、していることが古臭い、そして大人げない。政権交代の予感に満ちた3年前の熱はどこへやら、ひたすら暑苦しい夏である。