HTTP/1.1 200 OK Date: Tue, 07 Aug 2012 02:21:50 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:オスプレイ配備 米方針追認なら無意味:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

オスプレイ配備 米方針追認なら無意味

 オスプレイの安全性を日本政府が独自に検証するのは当然だが、今年十月に沖縄で本格運用を始める米海兵隊の方針を追認するだけなら意味がない。政府が米側に求めるべきは配備の撤回や延期だ。

 在日米軍基地の74%が集中する沖縄県民の切実な気持ちを顧みない会談ではなかったか。就任後初めて訪米した森本敏防衛相が、パネッタ米国防長官と会談した。

 米海兵隊普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)への配備に備え、いったん米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)に陸揚げされた垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの取り扱いが主要議題だ。

 会談後の共同記者会見でパネッタ氏は、実戦配備後も事故が相次ぐオスプレイの安全性について「大きな自信を持っている」と強調し、沖縄への配備が「日本の防衛に重要」と述べた。

 森本氏も当初から配備の撤回や延期を迫るつもりはなかったのだろう。会談後、オスプレイに試乗し、「非常に快適。想像以上に飛行が安定していた」と語った。

 米政府方針を追認するための会談や試乗は沖縄県民の反発を強めるだけではないか。仲井真弘多沖縄県知事が「防衛相はテストパイロットでない。何か意味があるのか」と反発するのも当然だ。

 会談では、両政府が安全性を再確認するまで日本国内で飛行しないことで一致したが、これも一時しのぎのまやかしにすぎない。

 米政府は、今年四月と六月に起きたオスプレイ墜落事故に関する調査結果を月内にもまとめ、日本政府は専門家チームが独自に分析する。しかし、米側は機体に問題はないとの立場を変えていない。日本側がそれを覆せるのか。

 低空飛行訓練は住民の安全に万全の配慮をすることで合意したというが、夜間も騒音被害がやまない在日米軍の現状を見れば合意の無意味さは容易に想像できる。

 戦後の占領から続く米軍の日本駐留を既得権と考える米政府相手の交渉が困難なことは理解する。

 それでも日本政府は米国の世界戦略ではなく、日本国民の生活のためにある。沖縄で予定されたオスプレイ反対県民大会は台風の接近で延期されたが、在日米軍基地の重圧に苦しむ県民と真摯(しんし)に向き合うことが政治の仕事ではないのか。

 森本氏がすべきはオスプレイ配備を撤回・延期させ、普天間の国外・県外移設に道筋を付けることだ。森本氏がそれを成し遂げれば民間から登用された意味もある。

 

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