HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 38817 Content-Type: text/html ETag: "126f41e-2365-b1d1b4c0" Cache-Control: max-age=1 Expires: Thu, 02 Aug 2012 20:21:52 GMT Date: Thu, 02 Aug 2012 20:21:51 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語
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天声人語

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2012年8月3日(金)付

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 夏のオリンピックは閏年(うるうどし)にめぐり、どの大会を最初に記憶しているかで世代がわかる。筆者の場合は東京五輪で、白黒テレビにかじりついた。その五輪が残していった流行語「ウルトラC」はすっかり定着し、辞書にも収まっている▼地元開催に向けて、日本の体操男子がひそかに開発していた技(わざ)を、そう呼んだのが始まりらしい。当時の難易度はA、B、Cのみで、最難のCを超える究極の大技を意味した。以来48年、いまや技はD、E、FはおろかGにまで進化した。繰り出される超絶美技にメタボ世代は感嘆するほかない▼そのG線上で競われた男子の個人総合を、内村航平選手(23)が制した。かつてはお家芸だった体操だが、その王者とも言うべきこの金メダルはロス五輪の具志堅幸司さん以来28年ぶりという▼北京では個人総合で銀だった。「まだ色が違うので(伝統を)継げたとは思っていない。4年後、ロンドンでの課題です」と内村語録に残る。言葉どおりの見事な「お色直し」は、長い空白を埋める栄冠になった▼金メダルには、文字どおりの「勝者」に与えられる光輝がある。もちろん銀も銅も素晴らしい。だが勝負の実質となると、1人の勝者と、多くの敗者である。内村選手の金は、それを印象づけるゆるぎない強さが光っていた▼ロンドンでは連日、研ぎ澄まされた肉体と精神が躍動している。4年に一度だけ出現する夢舞台で、勝者は輝き、力を尽くした敗者もまた美しい。真剣勝負が、見る者を熱くする。

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