HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51492 Content-Type: text/html ETag: "8b15-17a8-4c5d55ffe0400" Expires: Fri, 27 Jul 2012 22:21:13 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 27 Jul 2012 22:21:13 GMT Connection: close 野村トップ辞任 証券会社はタガを締め直せ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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野村トップ辞任 証券会社はタガを締め直せ(7月28日付・読売社説)

 大手証券が自ら市場の公正を踏みにじった責任は重い。トップ辞任は当然である。

 上場企業の公募増資を巡るインサイダー取引問題を受け、野村ホールディングスの渡部賢一グループ最高経営責任者(CEO)ら経営首脳2人が今月末、引責辞任する。

 野村が6月末に社内調査結果と当面の再発防止策を発表した際、渡部氏は自らの処分を減給にとどめ、辞任を否定していた。

 その後、株の売り出しなどの主幹事業務から、野村が外されるなど顧客離れが広がり、経営体制の刷新を迫られたのだろう。遅きに失した感は否めない。

 後任のCEOは、今年4月から傘下の野村証券で社長を務める永井浩二氏が兼務する。

 永井氏は記者会見で「野村を根底から作り替える」と述べた。言葉通り社内改革を進め、再発防止策を徹底してもらいたい。

 野村では15年ぶりに営業出身のトップだ。永井氏は、収益偏重でモラルの低下した営業現場のタガを締め直す責任がある。

 今年は増資情報を悪用したインサイダー取引の摘発が相次ぎ、このうち野村からの情報漏洩(ろうえい)は3件と最も多かった。

 機関投資家などを担当する営業部門が、企業増資を扱う法人部門から未公開情報を入手し、「早耳情報」として投資家に提供していた。本来、両部門の間に情報を遮断する壁が築かれているはずなのに、有名無実になっていた。

 大口顧客を未公開情報でもうけさせれば、個人など一般投資家に不利益を与え、市場の公平性をゆがめる。許されない行為だ。

 野村の追加調査では、摘発された不正取引以外に複数の情報漏洩の可能性が指摘されている。恒常的に行われていたのではないか。全容を解明する必要がある。

 インサイダー取引につながった情報漏れは、SMBC日興証券(旧日興コーディアル証券)や大和証券などでも発覚した。得意先の大口投資家への増資情報の提供は、大手証券の営業慣行としてまかり通っていた疑いがある。

 日本証券業協会の自主ルール強化など、証券界を挙げて再発防止に取り組むべきだ。

 政府は、金融商品取引法を改正し、インサイダー取引に対する課徴金の引き上げや、情報を漏らした側も処罰の対象とすることなどを検討している。

 日本市場は「インサイダー天国」という汚名を返上するため、罰則の強化を急がねばならない。

2012年7月28日05時15分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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