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朝日新聞の天声人語をもっと読む大学入試問題に非常に多くつかわれる朝日新聞の天声人語。読んだり書きうつしたりすることで、国語や小論文に必要な論理性を身につけることが出来ます。
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新聞人にとって、なるほどなあと思う言葉だ。「私はいつも最初にスポーツ欄を開く。そこには人間が達成したことが記録されている。第一面は人間のしでかした失敗ばかりだ」。米国の政治家で判事だったウォーレン氏が遺(のこ)したと『名言の森』(東京堂出版)にある▼昨日の本紙もしかり。1面を大きく原発事故の調査が占めていた。そのあとスポーツ面を開くと、見事な「達成」の小記事があった。ソフトボールの女子世界選手権で日本が42年ぶりの優勝を果たした。カナダで開かれていたのをうかつにも知らずにいた▼ソフト女子といえば北京五輪の金メダルを思い出す。上野投手の3連投が日本中を熱くした。だがロンドンでは五輪競技から外れた。熱は冷め、聞けば世界選手権の結団、壮行会にはテレビカメラは1台もなかったという▼本紙には載っていないが、共同通信の配信で他紙にあった宇津木監督の優勝の弁がいい。「日本の皆さんにソフトボールは健在だとお伝えしたい」。メディアの移り気がチクリと刺された気にもなる▼4年前、ソフト女子の「金」は1面トップを飾った。その紙面の端っこに、小さく「なでしこは銅逃(のが)す」とある。地味だった花はその後に大ブレークし、現地時間の今日、開会式に先だって初戦に臨む▼五輪はやはり特別な舞台。達成と歓喜はむろん、無念も涙も、本紙でたっぷりお届けしたい。ソフト女子のくじけぬ快挙を讃(たた)えつつ、週末からの一喜一憂に、わくわく、どきどきが高まる。