HTTP/1.1 200 OK Date: Sun, 22 Jul 2012 22:21:15 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞:ロンドン五輪 招致を考える機会にも:社説・コラム(TOKYO Web)
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【社説】

ロンドン五輪 招致を考える機会にも

 ロンドン五輪の開幕が迫った。スポーツの神髄を味わえる四年に一度の祭典。それはまたオリンピックそのものを見直す機会でもある。熱戦を楽しみつつ、五輪の将来も考えてみたい。

 第三十回夏季大会となるロンドン五輪は二十七日に開幕。二百四カ国・地域から一万人を超える選手を迎える見通しで、八月十二日までの十七日間で二十六競技、三百二種目を行う。ロンドン開催は一九〇八年、四八年に続いて三度目だ。中国初開催だった前回の北京は、国の威信を前面に押し出した大会となった。史上初めて三度目の大会を開く都市は、五輪運動における過去の経験を新時代にどう生かすだろうか。

 日本は二百九十三選手を送り込む。メダルの期待にこたえてくれそうな代表選手、チームも少なくない。時差は八時間。深夜の暑さを熱さに変えてほしいところだ。

 とはいえ日本選手や有名スターの活躍ばかりが五輪ではない。ふだんはあまり目にしない競技や各国の代表にも注目してみたい。スポーツの多彩さや、さまざまな国の選手の躍動を満喫できるのがオリンピックなのである。少し視野を広げてみれば何倍も楽しめること請け合いだ。

 観戦の一方でオリンピックの将来像も考えてはどうか。とめどない巨大化、商業化は前回の北京でひとまず行き着くところまで行った観がある。実際のところ、世界有数の大都市でしか開催できないという現状は、明らかに本来の五輪精神に反していると言わねばならない。華やかさの裏には何があるのか。世界共通の貴重な財産であるオリンピックは、これからどんな方向へと進んでいけばいいのか。興奮と熱狂の半月間は、世界中でオリンピックの今後を考え、見直す機会ともすべきだ。

 それはまた東京の五輪招致にあらためて向き合うことにもつながる。二〇二〇年夏季大会の招致レースは最終選考に入っており、来年九月には結果が出る。なのに都民、国民の関心度はといえば、あまり高まっているとはいえない。これほどの大事業を、国民的な論議が深まらないまま進めていいものだろうか。オリンピックを身近に感じられる開催期間は、自らの招致をじっくり考える好機でもある。

 一九一二年、第五回のストックホルム五輪で日本が初参加してからちょうど百年。一世紀の節目を機に、オリンピックをさまざまな角度から見つめ直してみたい。

 

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