
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51346 Content-Type: text/html ETag: "15c23f-177d-4c559f94d9990" Expires: Sat, 21 Jul 2012 22:21:15 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 21 Jul 2012 22:21:15 GMT Connection: close
![]() シリア情勢 アサド政権がほころび始めた(7月22日付・読売社説)内戦は激しくなるばかりだ。それを食い止める有効策を打ち出せない国連安全保障理事会の機能不全は深刻である。 シリアの首都ダマスカスの中心部で、治安機関施設が爆破され、会議中だった国防相や国家治安局長、アサド大統領の義兄である国防次官らが死亡した。反体制派「自由シリア軍」が、犯行声明を出した。 比較的治安が安定していたダマスカスだが、今月中旬から反体制派による攻撃が相次いでいた。 厳戒をかいくぐって体制の中枢が直撃された意味は重大だ。 駐イラク大使や精鋭部隊の准将などエリートの離反が始まった。多数の住民が国外に脱出している。反体制派の武装蜂起と国際的な孤立で、アサド体制は内部からほころび始めたのではないか。 火力で優勢な政府軍は、ダマスカスなど各地で報復に乗り出した。政府軍と反体制派の双方が攻撃をエスカレートさせており、停戦の機運はまったく見えない。 治安がここまで悪化したのは、アサド政権の責任が大きい。国連とアラブ連盟の特使を務めるアナン前国連事務総長が示した停戦調停案を受け入れると表明しながら、実行しなかったからだ。 国連の停戦監視団の任期切れを前に、安保理で米欧が、アサド政権に経済制裁を警告する決議案を出したのは当然である。だが、ロシアと中国が拒否権を行使して廃案となった。 対シリア決議案で両国の拒否権行使は昨年から3度目だ。軍事的に深いつながりを持つロシアがアサド政権をかばい、中国が同調する図式が今回も繰り返された。 ロシアは、アサド政権の延命に固執せず、流血停止に向けて影響力を行使すべきである。 安保理が決めたのは結局、停戦監視団の任期の30日間延長だけ、というのは残念だ。停戦が実現していない中で、監視団ができることは、住民虐殺が起きた場合の現地調査などに限られよう。 米露中英仏の安保理常任理事国とシリア周辺国が6月に開催した関係国会合では、シリアの政府関係者と反体制派の双方が参加する暫定政府樹立で合意している。実現に向けて、関係国はシリア側への働きかけを強めるべきだ。 日本は、ゴラン高原でシリア軍とイスラエル軍の引き離しにあたる国連平和維持活動(PKO)に自衛隊の輸送部隊を派遣している。シリア情勢のこれ以上の悪化は中東地域の不安定化につながる。日本も注視する必要がある。 (2012年7月22日02時01分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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