HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51424 Content-Type: text/html ETag: "3f26a-178b-4c4ccacdb1f5b" Expires: Sat, 14 Jul 2012 23:21:13 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Sat, 14 Jul 2012 23:21:13 GMT Connection: close 参院選挙制度 「4増4減」でお茶は濁せない : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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参院選挙制度 「4増4減」でお茶は濁せない(7月15日付・読売社説)

 参院選挙制度改革は、小手先の「1票の格差」是正だけで終わらせてはならない。

 参院の各党・会派でつくる参院選挙制度協議会で、座長の一川保夫民主党参院幹事長が選挙区定数を「4増4減」とする私案を示した。

 参院選における約5倍の格差是正のため、神奈川、大阪両選挙区の定数を2ずつ増やし、福島、岐阜を2ずつ減らすことが柱だ。

 民主党が掲げた定数の40程度の削減は棚上げし、比例選定数も現行のままとする。

 来夏の参院選に向けた各党の準備が既に始まっている。それへの影響を少なくするため、小幅の手直しにとどめたいのだろう。

 前回参院選について、高裁段階では違憲や違憲状態とする判決が出ている。格差に対する司法判断は厳しさを増しており、年内には最高裁が判決を下す見通しだ。

 次の参院選が迫っている以上、各党が妥協できる応急的な措置を取るのもやむを得まい。

 ただ、4増4減案の場合、格差は4・75倍となり、現状5・12倍の微減にとどまる。

 自民党が提案した8増12減案でさえ4・48倍、10選挙区を五つに統合する民主党の「合区」案は約3倍にまで格差を是正できる。

 一川氏の私案はあまりに後退した内容である。2年近く検討を重ねてきたのに、この程度の見直ししかできないのか。

 そもそも、参院選挙制度改革論議では、西岡武夫前参院議長が全国11ブロックの大選挙区制導入案を示すなど、抜本改革の機運も出ていた。しかし、西岡氏の死去を機に論議は停滞した。

 参院選が、都道府県ごとの選挙区と全国単位の比例選の組み合わせとなって30年近くになる。

 そろそろ、参院のあるべき姿を議論し、選挙制度の大幅な見直しを検討する必要があろう。

 衆参両院の役割分担を考え、参院にふさわしい制度を模索していかねばならない。

 一川氏の私案は、公選法改正案の付則に2016年の次々回参院選に向け、抜本改正を検討する、との趣旨の文言を明記するとしている。当然過ぎる判断である。

 与野党で議論しても、各党の選挙区事情や支持団体への配慮などから、踏み込んだ結論を出すのは容易ではない。有識者による審議会などに任せるべきだろう。

 制度改革論議には、相当の時間がかかることが予想される。今国会中に設置しても決して早過ぎることはないはずだ。

2012年7月15日01時27分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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