HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51547 Content-Type: text/html ETag: "2f5000-1769-4c4a4222ec6d8" Expires: Thu, 12 Jul 2012 22:21:15 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Thu, 12 Jul 2012 22:21:15 GMT Connection: close 日本再生戦略 目標達成へ政策を絞り込め : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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日本再生戦略 目標達成へ政策を絞り込め(7月13日付・読売社説)

 日本経済が力強い成長を取り戻すには、効果的な政策に絞り、着実に実行する必要がある。

 政府の国家戦略会議が成長力の強化に向け、日本再生戦略の原案をまとめた。

 東日本大震災からの復興を加速させるとともに、環境や医療など成長分野を中心に計450項目の施策を推進し、新たな市場と雇用の創出を目指す。

 電気自動車など次世代カーの比率を2020年に5割にするなど数値目標を多く掲げ、達成の工程表も示した。

 経済界の提案を受け、中小企業の経営強化や、成長を支える資金の供給拡大など、幅広い課題に対応策を示した点は評価できる。

 再生戦略は、これらの施策によって、ほぼゼロ成長の日本経済を平均で実質2%、名目3%の高成長に引き上げるという。

 だが、肝心なのは大風呂敷を広げることではない。

 今回の日本再生戦略は、菅前政権が2年前に策定した「新成長戦略」の焼き直しがほとんどだ。そのうえ、新成長戦略で成果を確認できた政策は約400項目のうち1割にも満たない状況である。

 「訪日外国人2500万人」などハードルの高すぎる政策も多い。事業の打ち切りを含め大胆にメリハリをつけ、予算の無駄遣いを避けねばならない。

 再生戦略に必要な予算の確保や制度改正はこれからだ。「看板倒れ」にならないよう、政府の取り組みが問われる。達成状況の徹底的な点検が肝要だ。

 財政負担の少ない規制改革を上手に活用したい。例えば特区制度を拡充し、震災の被災地で環境都市作りを進めれば、復興と成長強化の一石二鳥となろう。

 アジアの需要を取り込むための環太平洋経済連携協定(TPP)について再生戦略が、「協議を進める」としたのは物足りない。早期参加の決意を示すべきだ。

 企業の活力を高める方策も欠かせない。海外より高い法人税率は、主要国なみの25〜30%への引き下げが急務だ。安全を確認できた原発の再稼働による電力不足の解消や、デフレと円高の克服なども、喫緊の課題と言える。

 過去の成長戦略は、個別政策が各府省に委ねられ、既得権のカベや官庁の権益争いで頓挫したケースが多い。再生戦略の成否は、国家戦略会議が司令塔の役割を果たせるかどうかがカギとなる。

 国家戦略会議の議長である野田首相が先頭に立ち、政策の推進にあたってもらいたい。

2012年7月13日01時05分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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