HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51586 Content-Type: text/html ETag: "1c0fc-17d8-4c47c6378f09f" Expires: Tue, 10 Jul 2012 22:21:13 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 10 Jul 2012 22:21:13 GMT Connection: close アフガン支援 復興には統治の改善が急務だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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アフガン支援 復興には統治の改善が急務だ(7月11日付・読売社説)

 国際社会は、アフガニスタンへの支援を継続するという明確なメッセージを発した。再び国際テロの温床とならぬよう復興を着実に進めたい。

 アフガン復興を話し合う支援国会議が東京で開かれ、約80か国・国際機関が参加した。今年から2015年までの4年間に、計160億ドル(約1兆2800億円)超の支援を行うとした「東京宣言」を採択したのが成果である。

 現地の治安を支えてきた国際治安支援部隊(ISAF)の戦闘部隊は、治安権限をアフガン政府に移行して、14年末までに撤収する。それが政府の弱体化と旧支配勢力タリバンの復権を招くことになってはならない。

 ISAF撤収後も国際社会がアフガン政府を支えるという決意を示したことは、アフガン安定化に大きな意味を持とう。

 日本政府は16年までの5年間に最大30億ドル(約2400億円)を拠出する。インフラ(社会基盤)整備や農業支援など開発分野に22億ドル、警察官の給与など治安分野に8億ドルをあてる。

 09年に鳩山政権が約束した「今後おおむね5年間で最大50億ドル」の支援のうち、未拠出分を16年まで延長して実施する形だ。

 支援国の財政事情は、どこも厳しい。その中で、アフガン支援を続けていくには、各国の国民からの理解が欠かせない。

 日本は、米国に次ぐ主要支援国として、アフガン復興に大きな責任を担っている。巨額の拠出が有効に生かされているかどうか、使途を厳正に検証すべきである。

 東京宣言には、国際社会の支援とアフガン政府の政治改革の進捗(しんちょく)状況を2年ごとに閣僚級会合で点検する仕組みが盛り込まれた。

 支援国側が、アフガン政府に改めて自立を促し、一層の統治の改善を求めたのは当然だ。

 宣言には、アフガン政府が、腐敗防止や独立した司法の確立、予算の適正な執行など行政能力向上に取り組むことも明記された。

 支援国会議でカルザイ大統領は、「法の支配や腐敗対策を強めていく」と約束した。問題はそれが実行できるかどうかだ。大統領は14年には任期を終えて退く。アフガン政府は汚職体質の改善に、中長期的に取り組むべきだ。

 アフガン政府は、ISAF撤退に向けて、治安状況の改善へ努力を倍加させねばならない。南部の部族社会に根を張るタリバンを軍事的に鎮圧するのは極めて難しい。タリバン穏健派との和解を模索する対話も必要である。

2012年7月11日01時40分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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