HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 38513 Content-Type: text/html ETag: "142f296-229d-2e06db40" Cache-Control: max-age=2 Expires: Tue, 10 Jul 2012 22:21:12 GMT Date: Tue, 10 Jul 2012 22:21:10 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語
現在位置:
  1. 朝日新聞デジタル
  2. 天声人語

天声人語

朝日新聞の天声人語をもっと読む

天声人語のバックナンバー

 大学入試問題に非常に多くつかわれる朝日新聞の天声人語。読んだり書きうつしたりすることで、国語や小論文に必要な論理性を身につけることが出来ます。

天声人語の一文目
箭内道彦さんセレクトの天声人語はこちら
有料版のご購読で
朝刊で声やオピニオンも読める!社説など過去1年分の新聞記事が検索できる!
天声人語をまとめ読み
3カ月分まとめて読める!WEBマガジン「朝日新聞 天声人語・社説」

2012年7月11日(水)付

印刷用画面を開く

 以前、いじめ問題で取材した小学校の先生は、担任するクラスを「海」にたとえた。教壇から毎日見ていると何でも分かったような気になってしまう。でも見えているのは何十分の一にすぎない。子どもの世界という広くて深い海の中で、何が起きているのか。把握するのは本当に難しい、と▼この先生は深刻ないじめに気づかずにいた。だが気づいたあとが立派だった。いじめとは何か、なぜいけないかを、時間をかけてクラスに浸透させた。いじめは許しませんという真っすぐな意思が、子どもの心に響いていった▼ひるがえって大津市の場合である。中2男子の自殺をめぐり、教師はいじめを知っていたが「見て見ぬふりをしていた」と、複数の生徒がアンケートで答えていた▼片や市教委は「担任は、廊下でプロレスの技をかけられたりするのを目撃したが、いじめの認識はなかった」と言う。「自殺の練習をさせられていた」など聞き捨てにできない情報も複数あったが、早々と調査を打ち切った。輪郭と真相はぼやけ、「事なかれ主義」といった批判も飛ぶ▼少し救われるのは、全校生徒へのアンケートのいくつかの答えだ。「自分も見て見ぬふりをしていて、これも立派ないじめと気づいたときは、本当に申し訳なかった」。悔いはみんなの糧となろう▼〈昭和にもイジメはあった同窓会の返信葉書に欠席と記す〉の一首を、何日か前の本紙栃木版で見た。誰ひとり幸せにしない行為である。許さぬ意思を分かち持ちたい。

PR情報

朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介
サッカー日本代表戦JFAユースプログラム 応募はこちら