
HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51110 Content-Type: text/html ETag: "a331e-17aa-4c42bb3b003f0" Expires: Fri, 06 Jul 2012 21:21:14 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Fri, 06 Jul 2012 21:21:14 GMT Connection: close
![]() ヒッグス粒子 未知の探求へ新たな一歩だ(7月7日付・読売社説)世界の物理学者たちが40年以上も探し続けてきた「ヒッグス粒子」とみられる新粒子が、ついに見つかった。 スイス・ジュネーブ郊外の欧州合同原子核研究機関(CERN)が発表した。歴史に残る偉業と言えよう。 宇宙誕生の直後、この粒子が万物に重さ(質量)を与えた、と物理学の「標準理論」では考えられている。重さの源だけに、「神の粒子」とも呼ばれている。 宇宙はどのように誕生したか。物質はどんな仕組みで生成され、星や銀河ができ、生命が登場したのか。人類の根源を 標準理論によれば、すべての物質は、それ以上分割できない17種類の極微の素粒子で構成されている。まず電子が1897年に見つかり、2000年までに、ヒッグス粒子を除いて、計16種類の存在が確認されていた。 137億年前の宇宙創生から現在まで、宇宙の歩みを説明する理論を裏付ける最後の部品が、これでそろったことになる。 この発見は、CERNにある全周27キロ・メートルの円形加速器で成し遂げられた。建設費5500億円の巨大施設だ。真空に保ったパイプの中に、微粒子の陽子を光速に近いスピードで飛ばし、陽子同士を衝突させることができる。 これを1100兆回繰り返して衝撃で飛び出した破片を詳細に分析し、新粒子を99・99998%の確率で見つけたという。 東京大など16の大学・研究機関から日本人110人が参加し、分析などに活躍した。ヒッグス粒子の存在予言も、ノーベル物理学賞受賞者の南部陽一郎・米シカゴ大名誉教授の理論が基になった。 日本の貢献が誇らしい。 これからも探求は続く。実験を重ねれば新粒子の詳しい性質が分かる。そこから新たな理論が生まれるかもしれない。そう物理学者たちは期待している。 今の理論ではまだ、宇宙にある物質、宇宙を支えるエネルギーの4%しか説明できないからだ。さらなる発見へ、日本の研究者も挑戦してほしい。 昨年の東日本大震災と原子力発電所の事故以降、国内で科学技術に不信や不安を抱く人が増えている。文部科学省の調査では「人間は科学技術をコントロールできない」と考える人が10人中4人もいる。震災前の倍になった。 ヒッグス粒子の究明のような取り組みが、科学への夢を取り戻すきっかけになればいい。 (2012年7月7日01時23分 読売新聞)
![]() 東京本社発行の最終版から掲載しています。
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