HTTP/1.0 200 OK Server: Apache/2 Content-Length: 37710 Content-Type: text/html ETag: "1726608-1fe6-5cf4e100" Cache-Control: max-age=3 Expires: Fri, 06 Jul 2012 20:21:15 GMT Date: Fri, 06 Jul 2012 20:21:12 GMT Connection: close 朝日新聞デジタル:天声人語
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天声人語

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2012年7月7日(土)付

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 ペルーの世界遺産「ナスカの地上絵」は、遊覧飛行で眺めるほかない。人の目の高さからは浅い溝が走るだけで、何を描いたものか分からないそうだ。世には大きすぎて見えないものがある▼万物に質量を授けるヒッグス粒子が見つかったと聞いて、ついにやったかと感涙にむせぶ人は珍しい。「世紀の大発見」はえてして我らの理解を超え、その大きさを知るのは後世になる▼英国のヒッグス博士(83)が半世紀前に予言したこの粒子。宇宙誕生の瞬間、好きに飛び回る他の素粒子に水あめのように絡み、全体を落ち着かせたとされる。その動きにくさこそが質量だ。鈍重になった素粒子たちは寄り集まり、水素などの原子、星や生命を生んでいく▼世界の物理学者は、欧州の巨大加速器でヒッグス粒子を探してきた。天地創造に迫る旅である。彼らは「99.9999%以上の確率」でそれらしき粒子を見つけたという。あると予測された17の素粒子は一通り確認されたことになる▼ただ、果てしなき時空を究める上で、この発見は始まりにすぎないらしい。地上絵でいえば、溝の何本かは見つけたが、空から全体像を眺めた者がいない段階か。宇宙の大方は未知の「暗黒」が占めるとされる。探究の旅に終わりはない▼ビッグバンから137億年、まさか「作品」の一つが正体に肉薄してくるとは、「神の粒子」もびっくりだろう。こよい七夕の銀河を思い浮かべて、人類もやるもんだと杯を重ねるのもいい。つまみは粒(つぶ)ウニか何かで。


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