HTTP/1.1 200 OK Date: Wed, 04 Jul 2012 21:22:36 GMT Server: Apache/2 Accept-Ranges: bytes Content-Type: text/html Connection: close Age: 0 東京新聞: シラカシやタブノキなど広葉樹の苗木約六千本が、風に揺れて…:社説・コラム(TOKYO Web)
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 シラカシやタブノキなど広葉樹の苗木約六千本が、風に揺れている。今年五月、仙台空港に近い公園の一角に現れた長さ三百メートル、高さ三、四メートルの小高い丘。震災がれきを利用した「森の防潮堤」を整備する宮城県岩沼市の実験場である▼近づくと、小鳥が一斉に飛び立つ。植樹されたばかりの木々はまだ頼りないが、数年後、大きく成長した姿を想像するだけで楽しくなってくる▼植樹を指導したのは、横浜国立大学名誉教授の宮脇昭さん(84)。放射能に汚染されていないコンクリート片などを選別し、土砂と混ぜて盛り土し、その土地に自生している木を植える。がれきと土壌に隙間ができることで根がしっかりと張るという▼国が進めているがれきの広域処理は、受け入れ先の反対が強い。被災地内でがれきを有効利用して、津波に耐える森を築こうという提唱に注目が集まる▼細川護熙元首相らと財団法人「瓦礫(がれき)を活(い)かす森の長城プロジェクト」を設立した。「がれきこそ、かけがえのない地球資源」と言う宮脇さんは、東北の太平洋沿岸三百キロにがれきを利用した丘をつくり、九千万本の木を植えようと呼び掛ける▼「木を植えることは、いのちを植えること、明日を植えることです。そして、心に希望の苗を植えること」。トレードマークは麦わら帽子。世界で四千万本を植樹してきた老学者の思いに胸が熱くなる。

 

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