HTTP/1.0 200 OK Server: Apache Content-Length: 51265 Content-Type: text/html ETag: "b8d6e-17ab-4c3db4fcf3189" Expires: Tue, 03 Jul 2012 01:21:10 GMT Cache-Control: max-age=0, no-cache Pragma: no-cache Date: Tue, 03 Jul 2012 01:21:10 GMT Connection: close 民主党分裂 限界に達した政権の内部矛盾 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)




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民主党分裂 限界に達した政権の内部矛盾(7月3日付・読売社説)

 民主党が分裂した。

 表向きは「一致団結」を唱えながら、常に内紛を繰り返してきた政権党の内部矛盾が、ついに限界に達したと言える。

 小沢一郎元代表ら衆参両院議員50人が離党届を党執行部に提出した。週内にも新党を結成する。

 50人の内訳は衆院38人、参院12人だ。衆院では、公明党を抜き第3党となる。昨年末に民主党を離党した「新党きづな」などとの統一会派の結成も検討している。

 野田政権は、衆院の過半数は辛うじて維持するが、より不安定で厳しい国会運営を迫られる。党内には、なお離党予備軍も残る。

 反面、党内に、多数の強硬な反対勢力を抱えていた時よりも、党の一体感が高まり、政策決定が円滑に進む可能性もある。

 野田首相は、社会保障・税一体改革関連法案について、「必ず成立させることで、責任を果たす」と改めて強調した。

 今後は、自民、公明両党との連携を従来以上に大切にして、関連法案の早期成立や衆院選挙制度改革などに取り組む必要がある。

 小沢氏は、自らの新党について「政権交代の原点に立ち返り、国民が選択できる政治を構築する」と語った。「反消費増税」を掲げ、地域政党との協力を模索する構えだが、展望は開けていない。

 世論調査では、小沢新党に「期待しない」との回答が圧倒的に多い。大阪維新の会や石原慎太郎東京都知事は、連携を否定する。

 50人の約3分の2が当選1回の衆参両院議員で、選挙基盤の弱い「小沢チルドレン」が主体だ。党内の路線闘争に敗れ、追い込まれた末の離党である。新党で次期国政選に臨む方が生き残れるのではないか、という計算もあろう。

 今回の党分裂は、理念や政策を一致させないまま、非自民勢力を結集した「選挙互助会」的な政権党の危うさも露呈した。

 民主党は2003年9月、次期衆院選に備え、政策協議も行わず、小沢氏率いる自由党と合併した。その後、小沢氏が選挙対策として労働組合や地方組織との関係を立て直し、09年の政権交代に大きな役割を果たしたのは確かだ。

 だが、小沢グループという「派閥」を抱えた代償も大きかった。小沢氏特有の独断専行的な政治手法は以前と変わらず、民主党内に「親小沢」対「反小沢」という不毛な対立軸が生まれた。

 小沢氏主導の政権公約が、財源の裏付けがなく、最近は批判を招くだけの「負の遺産」となっていたことも忘れてはなるまい。

2012年7月3日01時29分  読売新聞)
東京本社発行の最終版から掲載しています。

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